
プリズマの愛され社長“濱野さん”、クラスメソッド 横田さんと創業期を語り合う〜社長に訊く!シリーズ特別編
プリズマティクス株式会社は、戦略的OMOを実現するプラットフォームを提供することで、小売業における顧客エンゲージメントを向上するお手伝いをさせていただいています。2022年にオウンドメディア『プリズマジャーナル』を立ち上げ、社員から社長濱野へ直撃インタビューする「社長に訊く!」シリーズを開始。今回はゲストとして、プリズマティクスの親会社であるクラスメソッド株式会社代表取締役社長の横田さんをお迎えしました。
実は、プリズマティクス創業のずっと前から訪問先で“濱野さん”との遭遇を繰り返していた横田さん。濱野さんとの出会いから小売業界支援に対する思い、プリズマティクス創業ストーリー、そしてこれからを、前後編にて語っていただきます。濱野さんから語られたプリズマティクス創業ストーリーと共に、視点の違い、また奇跡的な一致をお楽しみください。
目次
1.「あれ? あの人、そこそこ技術、分かってるんじゃない?」から始まったお付き合い 2.事業側と技術側、両サイドへの理解がある「濱野さん」の魅力 3.多様な価値観、目まぐるしく変化する顧客の“好み” 4.小売業界は「戻ってきたな」と感じる場所1.「あれ? あの人、そこそこ技術、分かってるんじゃない?」から始まったお付き合い
── プリズマジャーナル「社長に訊く!」シリーズでは、プリズマティクス創業とこれからについて、濱野さんへ訊くという記事を掲載しました。親会社であるクラスメソッド株式会社、代表取締役社長の横田さんの目から見た、プリズマティクス創業に至るストーリーをお聞かせ頂ければと思います。
横田:どこから話すのがいいんだろう……?
濱野:横田さんと知り合ったのは、10年位前になるのかな。助走期間が長かったですよね。
── では、お二人が知り合ったきっかけからお願いできますか。
横田:クラスメソッドは元々、企業から依頼を受けて、バックエンドの業務システムをつくっていました。そこからだんだんフロントのUI側や、一般消費者向けのシステムやアプリをつくることを相談されるようになっていきます。
クラスメソッドそのものは「技術の会社」ということでずっとやって来ていたので、技術的なことは解決出来ても、お客さんの事業そのものとか顧客のニーズについては理解が弱かったんです。でも技術力一本釣りで、お客さんからは声がかかる。そこで、事業会社にお伺いして一緒につくる、という進め方になるケースが多かった。
……で、そういう時に、事業会社側に濱野さんがいたんです。
濱野:そうそう。丁度、AWSが盛り上がり始めた頃、僕は提案を受ける側として、横田さんとよく遭遇するようになったんですよ。
横田:確か3〜4回位、それが続いたんですよ。それで、提案内容を話していると「あれ? あの人、そこそこ技術分かっているんじゃない?」って気付いて。そこから、話すようになっていきましたね。直接遭遇してない案件でも、実は同じシステムについて関わっていたということが、後から分かることもありましたよね。
濱野:2010年代って、クラウドはまだまだ使われている事例が少なくて、企業側もどう使っていいのか分からなかったので、聞かなきゃ分からないことが多かったんです。そこで、クラスメソッドとタッグを組むということをしていましたね。
2.事業側と技術側、両サイドへの理解がある「濱野さん」の魅力
横田:事業サイドだけでも、技術サイドだけでも、事業会社の課題解決は出来ない。「じゃあ一緒にやった方がいいよね」と、特定の顧客と個別に課題解決をしていたわけですが、そんな中「事業サイドで困っている企業というのは、だいたいどこも同じような問題を抱えていて、それに対して必要なサービスというのが、ありそうで無い。どうしたらいいだろう」というお話が、濱野さんからあったんです。
であれば、必要なものを聞いて作るというよりは、こちらから「これが必要ですよね」という形で提案しつつ、クラウドの技術をうまく使って早くデリバリー出来るようにしたり、数千万の会員がいるような基盤だったとしても問題なく使っていただける等、“無いもの”をカバーするようなものが出来たらな、と考えました。
濱野:当時外部サービスがどんどん立ち上がる中で、「ハブになる」ということが出来たらいいよね、ということを言っていたんですよね。2013年くらいにスマートフォンが出てきて、ECをアプリ経由で使うとかが一般的になり始めたり、出前や宅配のUberEatsが出てきたりという状況があって。その具体的な実装方法として、これも利用するのが一般的になりかけていた、ソフトウェアやプログラム、WEBサービスの間を繋ぐインターフェース、つまり「API連携」を使うのがいいんじゃない、ってことになった。
横田:システムを繋げられれば簡単に拡張出来ますから、APIにして、UIの部分は顧客の求めるものや事業、ビジネスモデルに合わせてつくればいいんじゃないか、と話していましたよね。もうひとつ、単なるパッケージ商品の開発では無くAPIにした理由は、「これを入れれば全部解決します!」という風にはならないだろう、と思ったからです。事業によってそれぞれ、顧客も店舗も商品の仕入れ方も、全部が違うので。
業務とか顧客価値を突き詰めていった時に、それがアプリケーションになるまでには両方が分らなきゃいけないとは、思うのですよ。開発を請け負う側はリスクが大きいから見積もりを大きくせざるを得ない。事業側と、技術側が分からなくて手探りでつくるのだけど、出来上がったものはイマイチ、みたいな。当時、事業側と開発を請け負う技術側が分離していて、両方がそれぞれ手探りで、事業のことをよく分かっているインテグレーター、という組み合わせはなかなか無かった。
僕が濱野さんと一緒にやることに魅力を感じたのは、技術的にも業務的にもアタリがついている状態になるということ。お客さんは安心して依頼してくれるだろうと思ったところですね。今もそうだと思うのですけど、事業と技術、両方見られるプレイヤーは当時、本当にいなかったです。
3.多様な価値観、目まぐるしく変化する顧客の“好み”
横田:購買体験や価値観って、ここ10年で、本当にどんどん変わってきているんだと思うんですよ。例えば小売業界の方々と話していると、みなさん店舗をすごく大事にされていて、それは「ついで買いが売上のうち大きな割合を占めるから」とよく仰るのです。確かに僕も、そういう経験ってあるんですよ。牛乳と卵が足りなくなってスーパーに行った時に、ちょっと美味しそうなサラミとか売っていると、ちょっといいお値段なのですけど、何故か買ってしまったりして。
濱野:店舗に足を運んで買い物する、ということそのものが、楽しいことですからね。でもそれはECでも同じことだと思っているんです。例えば、ECにものすごく沢山の服がラインナップされていたら、それを眺めているだけで楽しいですよね。
若い人であれば、限られたお小遣いの範囲で選んで買う、という体験そのものも楽しいことだと思うんです。時間が無くて店舗に行けない大人も、比較的安価であれば「まぁこの値段であれば、ちょっとくらい失敗してもいいか」と考えて気楽に買い物が出来る。それもまたワクワクする体験だと思いますし。
横田:消耗品的に服を買うのって、それはそれで、面白い体験ですよね。そんな価値観の一方で、買い物で失敗したくない、または一度購入したものを販売する際の再販価値が高いものを買いたい、という人もいたりするというのが現代の面白いところだと思います。
濱野:2016年位から、そういう話は出てきている気はしますね。車なんかは、特にそういう基準で買う人が増えていると聞いています。
横田:そんな価値観の多様化が進む中で、だからといって、企業側はシステム基盤を毎年作り替えることは出来ない。だから、基盤さえしっかりしていれば──在庫が連動している、会員、EC、ポイント等が連動しているとなれば──顧客のニーズや顧客接点(ユーザーインターフェース)が変わっても、素早く対応出来るんじゃないかと考えていたんですよね。
濱野:当初は、企業が好きなシステムを、ブロック玩具のレゴみたいに組み合わせてつくれたらいいんじゃないか、と考えていたのですよね。ただ、レゴって意外と、ちゃんとやろうとすると、つくるのに時間がかかっちゃうんですよね……。
今のお客さんは、レゴを積み重ねていく時間も余裕もない。だから「とりあえずこれで美味しく作れます!」っていうキットやレシピ、素材を揃えてあげて、必要であればカスタマイズ出来る、というのがいいのかな、と。それが2020年代のアプローチかな、と今は思っています。
横田:クラウド業界も同じような変化があって、もともとは開発者側の「ビルダーが大事」って言われていたんですよ。ところが最近のトレンドは、「ビルダーからバイヤーへ」に変わってきていますよね。例えばAWSも、ベースのシステムは構築するけれど、周辺の機能はSaaSで必要なものをトッピングするというのが普通になってきているんです。
もちろん、手を動かし続けて革新的なものをつくり続けている人達が根底にはいるんです。でも、「足りないものは買ってこよう」というトッピング的な考え方が、浸透しつつあるなと感じますね。
4.小売業界は「戻ってきたな」と感じる場所
濱野:……しかし横田さん、昔からしたら、すっごく、言っていること変わりましたよね(笑)。
横田:そうそう、なんか今スゴイ分かっている感じで話していますけど(笑)、昔はこんなこと言ってなかったかもしれない。
── クラスメソッドと小売業界というのは、ちょっと遠い感じがするのですが、横田さんご自身は小売業界との関わりについて、どのように捉えてらっしゃるんでしょうか。
横田:僕、実は学生の時、ヨドバシカメラとかビックカメラでアルバイトしていて……だからそもそも、小売業界で働いていたんです。接客とか購買体験っていうのは身近なもので、パソコンやプリンターを売りながら「この仕事、面白いなぁ」って、そう思って働いていました。たまたまその後、その仕事には就かずにテックの方にいったんですけど、原体験はそこにあると思っているんですね。
バイトの最後の方は、アルバイトという立場ではあったんですけど、店頭スタッフのスーパーバイザーみたいな仕事をしていました。スタッフを教育してお店に送り込んで、送り込んだスタッフがちゃんとワークしているか見に行ってチェックして、後日本社に戻って、振り返りする時に「あ、君この接客良かったよ!」とか……やってました(笑)。
濱野:僕はその頃、パソコンの出張サポートのバイトをしていたなぁ。今活躍している人の若い頃のバイト経験を聞くのって、すごく面白いね。
横田:社会に出たばかりの時に体験したことが、その後の仕事に影響しているなーって感じることって、結構ありますよね。だから、僕にとっては小売業界って、新しい体験じゃなくて、「戻ってきたな」って感じなんですよ。
ただ、僕は売るのを手伝っていただけで、本部とか本社とかは経験していなかった。どういう意図でその商品を売ったり仕入れたりしているのかっていうことは、全く分からなかったんです。クラスメソッドとして小売業界に関わるようになってきてから、商品倉庫などのバックヤードを見せてもらったり、経営状況の把握として損益計算書(PL)を見たりして、小売業界が大事にしているものが何か、経営を圧迫しているものが何なのか、今、学んでいっている感じですね。
今回はゲストにクラスメソッド株式会社代表取締役社長の横田さんをお迎えし、プリズマティクスの創業期から、横田さんの隠されたバイト経験まで、幅広くお話を伺いました。続く後編では、「社長に訊く!」シリーズならではのコーナーとして、横田さんから濱野さんへ、いつもはなかなか聞けない質問をぶつけて頂きます! 公開をお楽しみに。
(取材・構成・文=プリズマ編集部)
お客さまのエンゲージメントを高め、ファンに育てることを目的とした、会員・ポイント管理(CRM)サービス「fannaly(ファンナリー)」。LINEミニアプリで提供することで、会員アプリを素早く始められます。
OMO/オムニチャネルに対応したEC/OMO基盤「prismatix」は、拡張性の高い柔軟なAPIで戦略的OMOを実現します。無印良品、スターバックス、サンリオ、アンファーなど成長を見据えた企業に選ばれ続けています。

プロフィール
濱野 幸介
CEO(チーフ・エグゼクティブ・オフィサー)
アクセンチュア株式会社、株式会社リヴァンプ、株式会社良品計画を経て、現職。
クラスメソッド株式会社 マーケティング・テクノロジー担当を兼務。
良品計画では、アドバイザーとして「MUJI passport」の立ち上げなどマーケティング活動全般を技術面より支援。
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