プリズマジャーナルTOPポイント制度のメリットを徹底解説! 仕組みやからくり、成功事例も紹介
ポイント制度のメリットを徹底解説! 仕組みやからくり、成功事例も紹介

ポイント制度のメリットを徹底解説! 仕組みやからくり、成功事例も紹介

ポイント制度の導入を検討しているものの、効果や運用方法に不安を感じていませんか?

本記事ではポイント制度の仕組みやメリット、成功の秘訣、さらには注意点まで詳しく解説します。これから導入を考えている方はもちろん、既存のポイント制度の見直しを検討している方はぜひ参考にしてください。

1.ポイント制度とは?

ポイント制度は、顧客の購買活動に対して特典を付与する仕組みです。現在では多くの企業がデジタル化の流れを受けて導入を進めています。

顧客は購入や来店ごとにポイントを獲得し、特典と交換できます。この仕組みにより、顧客は継続的な利用を促され、企業は売上向上につながるのです。

仕組みやからくり

ポイント制度の基本的な仕組みは、顧客が商品やサービスを購入した際に金額に応じてポイントが付与されます。たとえば「500円につき1ポイント」といった形式が一般的です。

貯まったポイントは次回の買い物での値引きや限定商品との交換に利用できます。ポイントには「貯める」「使う」「交換する」という選択肢があり、顧客に自社サービスを継続利用するメリットを体感してもらいます。また、ポイントの有効期限を設けることで、再来店を促す効果も期待できます。

店舗側の狙い

店舗がポイント制度を導入する最大の狙いは、顧客情報の収集とマーケティング活用です。ポイントカードの発行時に顧客の年齢や性別、居住地などの基本情報を登録してもらうことで、顧客データベースを構築できます。

さらに、購買履歴や来店頻度、利用金額などを分析することで、顧客の購買パターンや好みを把握できます。これらの情報を活用して、顧客ごとにパーソナライズされたプロモーションを展開したり、効果的な商品陳列や販促活動を実施したりすることが可能になります。

ポイント制度に関しては、以下の記事でもご紹介しております。

2.ポイント制度のメリット

ポイント制度を導入すると、さまざまなメリットが生じます。ここでは、ポイント制度の主なメリットとして4つの内容を解説します。

顧客満足度の向上

ポイント制度は顧客満足度を高める効果的な手段です。顧客は購入するたびにポイントが貯まり、次回以降の買い物で割引や特典と交換できる明確なメリットを感じます。この「お得感」は顧客の満足度を直接的に向上させます。

特に注目すべきは、値引きとポイント付与の心理的効果の違いです。これは同じ金額的価値でも、ポイント付与の方が消費者に高い価値として認識される「認知のゆがみ」によるものです。

ポイントには「貯める喜び」という要素があり、特に1%〜15%程度の少額付与では、即時値引きよりもポイント付与の方が効果的です。顧客は単なる割引よりも、将来使えるポイントに魅力を感じる傾向にあります。

また、ポイントの貯めやすさは顧客満足度を高める重要な要素です。簡単に貯められ、気軽に使えるポイントシステムは、顧客に長期にわたる満足感を与えます。誕生月特典や会員限定イベントなど、金銭的価値以外の特典を組み合わせることで、さらに顧客満足度を高めることが可能です。

リピート率の向上

ポイント制度の最も大きなメリットは、顧客のリピート率向上です。「せっかく貯めたポイントを使わずに失効させるのはもったいない」という心理が働き、顧客の再来店を促せるわけです。

行動経済学の「損失回避バイアス」によれば、人は「得る喜び」よりも「失う悲しみ」を大きく感じる傾向があります。初回購入時に次回使えるポイントを付与し、有効期限を設けることで、このバイアスを活用したリピート促進が可能になります。

また、ポイントは利用すればするほど貯まるため、「ポイントもあるし、次も利用しよう」という意識が生まれ、顧客の定着につながります。さらに、「あと○円でポイントが貯まるから、もう1品追加しよう」という心理も働き、購入単価の向上にも有効です。

また、ポイント制度はクーポンと組み合わせることで、さらに効果を発揮します。クーポンで初回購入のハードルを下げ、その後はポイントで継続的な購買を促すという戦略です。一定のポイントを貯めると特典が得られる仕組みにすれば、顧客自身が積極的に購入回数を増やす動機になります。

新規顧客獲得

ポイント制度は新規顧客獲得においても有効な施策です。なぜなら、魅力的なポイントプログラムは、それ自体が新規顧客を引き付ける要素になるからです。

特に効果的なのは、初回利用者向けの特典です。新規顧客に対して特典や割引を提供することで、商品やサービスを試してもらうきっかけを作ることができます。たとえば、「新規会員登録で500ポイントプレゼント」といった施策は、顧客獲得の有効な手段となります。

また、広く利用されている共通ポイントを導入することで、そのポイントサービスのユーザーにリーチできるというメリットもあります。

さらに、「ポイ活」と呼ばれるポイント活用を積極的に行う消費者層へのアプローチも可能です。ポイント収集に熱心な「節約マニア」と呼ばれる人たちにとって、魅力的なポイントサービスは常にチェック対象です。こうした層を取り込むことで、顧客層の拡大につながります。

顧客データ活用によるマーケティング強化

ポイント制度の導入により、顧客情報を効果的に収集し活用することができます。ポイント制度を利用するには顧客が会員登録を行う必要があるため、購買データや属性情報の取得が可能になるためです。

この情報によって、マーケティングを強化することができます。たとえば、顧客の購買パターンを分析し、個別化されたレコメンデーションを提供したり、優良顧客を特定して特別なサービスや特典を提供したりすることが可能になります。

また、ポイントカードやアプリを通じて収集した顧客情報は、ターゲットを絞った販促活動に活用できます。過去の購入傾向から相性の良い商品を提案したり、特定の顧客層に向けたキャンペーンを展開したりすることで、マーケティングの効率を高めることも可能です。

さらに、ポイント制度はコミュニケーションツールとしても機能します。メールやSMSでポイント残高のチェックを促すことで、プッシュ型よりも抵抗が少ないプル型のコミュニケーションができます。その結果、顧客とのタッチポイントを増やし、販売促進につなげることも可能です。

3.成功するポイント制度の条件

ポイント制度を導入しても、必ずしも成功するとは限りません。顧客にとって魅力的で、かつ企業にとっても持続可能な制度設計が成功へのポイントです。

魅力的なポイント設計

顧客が積極的に利用したくなるポイント制度には、シンプルで分かりやすい仕組みが不可欠です。「100円で1ポイント」など、ポイント付与の基準を明確にし、貯まるスピード感を実感できる設計にしましょう。これはポイントが貯まりにくいと顧客は興味を失い、制度自体が形骸化するからです。

また、ポイントの使い道が豊富であることも重要です。商品購入への充当だけでなく、会員限定サービスや特別イベントへの参加権、提携店舗での利用など、多様な交換先を用意してください。顧客の選択肢が広がることで、ポイントの価値も高まります。

他社との差別化施策

競合他社と同じようなポイント制度では埋もれてしまいます。そのため、独自の特典や仕組みで差別化を図りましょう。たとえば、会員ランク制度は効果的な差別化手段の一つです。購入金額や頻度に応じて会員ランクを設け、上位ランクほど特典を充実させます。

具体的には、シルバー会員は基本ポイント1%付与、ゴールド会員は2%付与、プラチナ会員は3%付与といった具合です。上位ランクへの昇格条件を明示することで、顧客の購買意欲を刺激します。

また、季節限定ポイントアップキャンペーンや特定商品購入時のボーナスポイント付与など、時期や商品に応じた特典も差別化に有効です。

初期費用とランニングコストを見極める

ポイント制度の導入にはさまざまなコストが発生します。システム開発費、カード発行費、ポイント原資、運用人件費などを事前に試算し、投資回収計画を立てる必要があります。

特に重要なのは、ポイント還元率の設定です。還元率が高すぎると利益を圧迫し、低すぎると顧客に魅力を感じてもらえません。業界平均は0.5%〜2%程度ですが、自社の利益率や競合状況を考慮して適切な水準を決定してください。

また、ポイント制度の効果測定方法も事前に決めておきましょう。会員数、ポイント利用率、リピート率、客単価の変化など、具体的な指標を設定し、定期的に検証してください。効果が見られない場合は、制度の見直しも検討します。

ブランドの毀損リスクに対策を打つ

過度な値引き販売は商品の価値を下げ、ブランドイメージを損なう恐れがあります。ポイント還元は、表面上の価格を維持しながらインセンティブを提供できる点で優れています。

特に高級ブランドや専門性の高いサービスでは、安易な値引きよりもポイント還元の方がブランド価値を保てます。たとえば、高級時計を10%オフで販売するより、定価で販売して10%分のポイントを付与するほうが商品の価値観を維持できます。

また、ポイント還元は「次回の来店」を前提とするため、継続的な顧客関係構築にも役立ちます。値引きが一度きりの関係になりがちなのに対し、ポイント還元は顧客との長期的な関係を築く基盤になるでしょう。

4.成功事例から学ぶポイント制度

ポイント制度の成功事例として、3つの企業を紹介します。どのような施策が成功に至ったか、確認しましょう。

スターバックス コーヒー ジャパン株式会社「Starbucks Rewards」

スターバックスのポイント制度「Starbucks Rewards」は、購入金額に応じてポイント(スター)が貯まる仕組みです。顧客は貯めたスターを無料ドリンクや食品と交換でき、一定数のスターが貯まるとカスタマイズオプションも無料で利用できます。特に誕生日特典として無料ドリンクをプレゼントするなど、一人ひとりに合わせたサービスの提供が特徴的です。

直近のアップデートでは、ドリンクやフードと交換できるeTicket(スター リワード)の種類が増え、利便性が大幅に向上しました。
参考:スターバックス® リワード アップデートのお知らせ|スターバックス コーヒー ジャパン
「モバイルオーダー&ペイ」導入の背景と効果について、詳細は以下よりご確認下さい。

また「デジタルを活用した顧客体験」をテーマに、大変多くの皆さまにご参加、ご好評を頂いたオンラインセミナーの様子は、以下にてご確認いただけます。

 

三井不動産商業マネジメント株式会社「三井ショッピングパーク メンバーズプログラム」

三井不動産のポイントプログラムは、ららぽーとや三井アウトレットパークなど全国の施設で利用できる点が魅力です。クレジット支払いで100円につき2ポイントという高還元率を実現し、1ポイント=1円で買い物に使えます。さらに、永久不滅ポイントも同時に貯まったり年間利用金額に応じたメダル制度も設けられたり、さまざまな特典が用意されています。
参考:メンバーズプログラム|三井ショッピングパークポイント

株式会社サンリオ「Sanrio+」

サンリオは2020年7月に「Sanrio+」を導入し、2024年10月にはステージ制度「Sanrio+ハートあつめ」を追加するリニューアルを実施しました。このサービスは、サンリオショップ、オンラインショップ、サンリオピューロランド、ハーモニーランドを横断する共通ポイント「スマイル」を提供しています。

特徴は、貯めたスマイルを景品やクーポンへの交換、限定イベント応募など「サンリオらしい体験」に活用できる点です。会員特典として、好きなキャラクターを選べる会員証機能、毎月変わるオリジナル壁紙、バースデースマイルプレゼント、会員限定イベント参加権などが用意されています。
参考:Sanrio+とは?|サンリオ

5.ポイント制度のデメリットと対策

ポイント制度にはデメリットもあるので、あらかじめ対策を検討しておく必要があります。ここでは、主なデメリットと対策を解説します。

顧客の加入率や利用率の低下

ポイント制度が複雑すぎると、顧客は混乱して利用を避ける傾向にあります。「ポイントは○○円以上の購入でのみ使用可能」「セール商品には適用されない」「ポイント使用時は他のクーポンと併用不可」など、細かい制約が多いと顧客は「結局、いつ使えるのかわかりにくい」と感じます。

対策としては、ポイント制度をシンプルで直感的に理解できるように設計するのがおすすめです。ルールは最小限にとどめ、誰でも簡単に利用できる仕組みを目指しましょう。

ポイント失効による顧客からの不満

ポイントカードシステムを導入している企業において、「ポイントの失効」が顧客側のデメリットとして最もよく挙げられます。

失効への対策としてポイントの有効期限を明確に伝え、失効前にリマインドメールを送るなどの配慮が必要です。

また、有効期限を長めに設定したり、少額でも使用できるようにしたりすることで、顧客の不満を軽減できます。さらに、自社ポイントを他のポイントや電子マネーに交換できるサービスを導入することも効果的な対策です。

不正利用やシステムトラブルのリスク

ポイントシステムを悪用しようとするユーザーによる不正利用やシステムトラブルのリスクも存在します。

不正利用への対策としては、セキュリティ対策の強化が不可欠です。SSL/TLSによる通信暗号化、データベースのアクセス制限、アクセスログの監視などの技術的対策に加え、従業員への情報セキュリティ教育も重要です。

また、不正利用を防ぐためのルール設定やトラブル発生時の対応マニュアルを事前に準備しておくことも必要です。多段階認証の導入も効果的な対策の一つとなります。

6.まとめ

ポイント制度は顧客満足度の向上やリピート率の増加、新規顧客の獲得など、多くのメリットをもたらします。しかし、その効果を最大限に引き出すには、魅力的なポイント設計や他社との差別化、コスト管理など、さまざまな要素を考慮する必要があります。

また、顧客の利用率低下や不正利用といったデメリットへの対策も必要です。ポイント制度の導入や改善を検討する際は、本記事で紹介した成功事例や注意点を参考に、自社に最適な制度設計を目指しましょう。

会員・ポイント・クーポン管理システム「fannaly(ファンナリー)」は、購買に対するポイント/クーポン付与のみならず、顧客の行動を促す施策も管理できるサービスとなっております。よって、魅力的なポイント制度の実現を支援します。
また、ポイント制度設計支援サービスも展開しており、事業会社の魅力/強み/方向性をヒアリングさせて頂き、一緒にポイント制度を創り上げる支援をさせて頂きます。

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興味のある方はお気軽にお問い合わせ下さい。

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