アプリ会員化の施策、効果検証の準備は出来ていますか?【外食企業で“デジマ”を始める!】計測準備編
外食産業のマーケティングや業務効率化には「外食」という業種特有の課題がネックとなり、デジタル領域を活用しきれていない企業が多く見られます。外食企業が「デジタルマーケティング」「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を始めるには、どうしたらいいのでしょうか。前回まで、アプリを始めとした様々なツールの準備から実施方法をテーマに解説してきました。今回は、WEB広告等を実施してお客様を「アプリ会員化」していくサイクルについて、データ計測の準備から実施までのプロセスをご紹介します。
1.[WEB広告] からのアプリ会員化を計測
アプリ会員化に至るデータ計測をするために、各種アクションの前後で何を実施したらよいかを解説していきます。始めに「WEB広告」の場合について説明します。
1.準備
・WEB広告用のテキスト、バナー、LP、LP内ディープリンク
・アプリ遷移時、クーポン発行
・クーポン用QR発行(POS連携用)
2.配信中
・AppsFlyer管理画面でweb広告別のアプリDL数、会員数、クーポン利用数、来店数などの計測
・web広告側での集計と組み合わせて計測
・予算と配信期間を見据えて、今後も効果の高い見込みのweb広告に配分を変更(アロケーション)
3.配信後
・web広告側とAppsFlyer側の最終集計を統合して、施策効果の振り返り、今後の方針を調整する
・次回のweb広告時、web広告側での既存ユーザーの除外、AppsFlyer側での既存ユーザーの除外、を実施する
・今回のweb広告で来店したユーザーを毎月、いつ再来店したのか計測していく。1年後にユーザーが何回来店したか?いくら支払ったのか?の集計を完了して、今回のweb広告費用の最終的な費用対効果(1人あたりの獲得コスト、全体の売上とweb広告費の比較)を検証する
目の前の施策結果を得ることはもちろん重要ですが、本当の費用対効果を検証するたまえにも、LTV計測にも1年間程度かけていただきたいと思います。
2.[SNS投稿] からのアプリ会員化を計測
SNS投稿では、定量的に抽選キャンペーンを実施し、フォロワーや会員を増やす企業も多いことでしょう。その効果をしっかり検証していただきたいです。
新商品や特定のインセンティブに関して興味を持たれて来店、利用されるお客様のフローを計測することで、効果検証をすることが出来ます。
1.準備
・SNS投稿用のテキスト、バナー、動画、LP、LP内ディープリンク
・アプリ遷移時、クーポン発行
・クーポン用QR発行(POS連携用)
2.配信中
・AppsFlyer管理画面でSNS別のアプリDL数、会員数、クーポン利用数、来店数などの計測
3.配信後
・AppsFlyer側の最終集計を算出
・「SNS投稿のために用意したLPや特典の費用」と「SNS経由でアプリ会員化後に来店した人数」を組み合わせて施策の費用対効果を算出
・上記の結果を振り返り、今後の方針を調整する
3.[チラシ] からのアプリ会員化を計測
チラシ配布に関わる全体的な費用対効果を集計分析しながら、アプリ会員がどのくらい増えたか計測し、規模を成長させていきましょう。
1.準備
・チラシのデザイン、クーポンQR用ディープリンク
・アプリ遷移時、クーポン発行
・クーポン用QR発行(POS連携用) ※複数クーポンの場合、別々にQR発行
2.配信中
・AppsFlyer管理画面でチラシ別のアプリDL数、会員数、クーポン利用数、来店数などの計測
3.配信後
・AppsFlyer側の最終集計を算出
・チラシの配布枚数、クーポン利用組数(POS)、クーポン利用率を算出
・複数のクーポンの場合、クーポン別の利用組数の算出(新規会員、既存会員の内訳も算出)
・チラシ全体の1組の獲得コストを算出、アプリ側も1組あたりの獲得コストを算出
・上記の結果を振り返り、今後の配布枚数、エリア、クーポン内容などを調整する
・チラシの配布や利用組数を反映するデジタルマップがある場合、利用組数(全体)、利用組数(アプリ会員)も反映する
4.[GBP] からのアプリ会員化を計測
昨今、店舗検索の主役となりつつあるGBP。ここで施策実施やユーザーメリットを訴求して自社会員化を伸ばしていく施策は、今後不可欠となっていきます。GBP投稿はMEO対策だけではなく、アプリ会員を増やすチャネルになると認識しましょう。
計測データは管理ツールを用いて運用することが望ましいため、ここでは代表的なツールの一つである、AppsFlyerの利用を想定したプロセスをご紹介します。
1.準備
・GBP投稿用のテキスト、画像、LP、LP内ディープリンク
・アプリ遷移時、クーポン発行
・クーポン用QR発行(POS連携用)
2.配信中
・AppsFlyer管理画面でGBP投稿別のアプリDL数、会員数、クーポン利用数、来店数などの計測
3.配信後
・AppsFlyer側の最終集計を算出
・「GBP投稿のために用意したLPや特典の費用」と「GBP経由でアプリ会員化後に来店した人数」を組み合わせて施策の費用対効果を算出
・上記の結果を振り返り、今後の方針を調整する
今回は、Web広告等を実施してお客様を「アプリ会員化」していくサイクルについて、データ計測の準備から実施までのプロセスをご紹介しました。次回はデータ集計と分析についてご紹介する予定ですので、合わせて参考にしてください。
執筆者プロフィール
清水 圭介
コンサルタント
株式会社EPARKを経て、2018年に物語コーポレーションに入社。外食チェーンストア(焼肉きんぐ・丸源ラーメン・ゆず庵)におけるデジタルマーケティング・DXの部門を立ち上げ、OMO構想からCDP構築を軸にアプリ・web開発からマーケティングまで網羅した戦略立案・企画推進、開発からマーケティング運用を担う。2021年にレインズインターナショナルに入社。デジタルマーケティング部の部長として、牛角・温野菜を中心にCDP構築・web広告・順番受付開発運用などを担う。2023年9月クラスメソッドに参画。
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