プリズマジャーナルTOPプリズマの愛され社長“濱野さん”、COO石島さんと創業期を語り合う〜社長に訊く!シリーズ特別編

プリズマの愛され社長“濱野さん”、COO石島さんと創業期を語り合う〜社長に訊く!シリーズ特別編

プリズマティクス株式会社は、戦略的OMOを実現するプラットフォームを提供することで、小売業における顧客エンゲージメントを向上するお手伝いをさせていただいています。2022年9月、オウンドメディア『プリズマジャーナル』を立ち上げ、社員から社長・濱野へ直撃インタビューする「社長に訊く!」シリーズを開始しました。

今回はシリーズ史上初めてのゲストとして、COOの石島さんをお迎えしました。前編となる本記事では、創業に深く関わった石島さんの視点から、プリズマティクスのこれまで、そしてこれからを語っていただきます。濱野さんから語られたプリズマティクス創業ストーリーと共に、視点の違い、また奇跡的な一致をお楽しみください。

1.バックオフィス分野での“当たり前”は、フロントの業界に転用可能か?

── 石島さんはもともと、クラスメソッド事業開発部で部門長をされていました。そこからプリズマティクス創業、COOとなるに至ったストーリーを聞かせてください。

石島:もともと私はIT系ベンチャー企業の経営チームとして、ビジネスサイド全般や管理部門を見る立場でした。前職を辞めた後、2014年にクラスメソッドに参画したんです。プリズマティクス創業の2年前のことです。

当時のクラスメソッドは、受託開発事業から、クラウド、モバイル、ビッグデータ関連に力を入れて、そのインフラはAWSが支えている、というビジネスモデルに徐々に変えている時期でした。ところが社内メンバーの多くがエンジニアで、ビジネスサイドの人間がほぼいなかった。そこでビジネス側の推進者として「事業開発部」という1人部署をつくってもらって入社しました

── そこで、小売業界向けのプラットフォームサービスを構想されていたと伺いました。

石島:当時、AWSへの反応が早かった業界のひとつに、BtoCの小売業界がありました。世の中の動きを見ながらサービスをつくっていくにあたって、AWSが対応しやすいということがあったんだと思います。

2015年頃には、顧客と接するEC等から、取得したデータの分析基盤、いろんなサービスが相乗りできるようなAWSプラットフォームができたら良いのではないか、施策立案、コンサルティングまでを一貫して提供できるような体制をつくれないか、ということを考えるようになりました。

バックオフィス分野、ERP業界にいた私にとって、色々なアプリケーションが、個々は別れていながらも連携し、大きなひとつのアプリケーションとして使える、というシステム構造は身近なものだったんです。

ところがフロントの分野では、時代の流れと共に色々なサービスがどんどん出て、ユーザー企業はそれをキャッチアップし、かつそれぞれを繋ぎ合わせていかなければいけない状況でした。それって、結構、大変ですよね。もちろん、バックオフィス系のシステムと違って企業ごとの差異が大きく、標準化は難しいんだろうな、とは思ったのですが……そんな時に、濱野さんと出会ったわけです。

2.プラットフォームを小売業界に広く提供しよう──決断の時は2015年

── 濱野さんは同じ2015年頃、「フロントエンドとバックエンドを繋げる仕組みとして、APIベースの仕組みがクラウド基盤でつくれれば皆嬉しいんじゃないか」と考えていた、と仰っていましたね。

濱野:事業会社でアプリをつくるのが一般化してきた時代で、当時支援していた事業会社では海外展開を視野に入れて動いていました。その国ごとに合ったパッケージをアプリに適用させつつも、会社の管理部門としてはちゃんとガバナンスを効かせたいという要望があった。このプラットフォームのスタートラインは、それを実現するための構想でした。

アプリ、webストア等、全てのサービスの仲立ちになって繋ぐことの出来るプラットフォーム。そんなものが出来たらいいなと考えたわけですが、ここからが難題で──「じゃあ、一体、誰がつくるんだ?」と(笑)。

どう考えてもコレ、大変なんですよ。当時はまだ「マイクロサービス」なんて言葉も無くて、本当に実現できるのかわからなかったんです。そんな状態で、事業会社がコレを内製でつくるというのは限界があった。そこで、以前から関わりのあった横田さん(クラスメソッド株式会社代表取締役社長)に声をかけてみたんです。

そしたら「受託してつくるというのは出来ないんだけれども、これがいろいろな会社の為に役に立つのであれば、サービス化して展開したらどうだろう」って言われたんですね。

石島:横田から「石島、こんな話が来たよ」と言われた時、あ、同じこと考えてる人がいた、と思いましたね。

確か初対面は、日本酒飲み放題の立ち飲み屋(笑)。持ち込んだつまみと日本酒でじっくり話したところ、濱野さんも「これを一企業のためではなく、多くの小売企業に展開出来るように開発していくというのはアリ」だと言ってくれた。

── そこで「プリズマティクス」という新しい会社を立ち上げたのは、どんな理由があったんでしょうか。

石島:当時のクラスメソッドというのは、インフラを中心に外部サービスを仕入れて、運用などで付加価値を付けてお客様に提供する、また技術領域を特化させた形でシステム開発する、ということをしていました。どこかの業界に向けたソリューション開発、プロダクト展開ということはやっていなかったんですね。

ただ、濱野さんと考えているところが同じだったということもあり、実現するためにどうするかということを考えた。これだけ事業内容が違うと、所属しているメンバーの価値観やモチベーションといったところが全く変わってきてしまうので、やはりハコを分けた方がいいなと思ったんですね。

あとは、濱野さんに社長をお願いしたかったんです。

── お、それはまた、何故ですか?

石島:いやあ、だって、濱野さん、強そうだったし(笑)。というのは冗談としても、「これを推進するために、責任持ってやります」と言って頂いたので、「じゃあ会社つくって一緒にやりましょう!」ってなった、ということですね。

3.小売の業務とシステム、両方に精通する“濱野さん”だからこそ描ける設計図

── 創業時は、どのようにプラットフォーム開発を進めていったのでしょうか。

石島濱野さんが小売の業務とシステム両方に精通していたので、設計図をつくるところは出来ちゃうんですよね。API基盤としてつくっていくこと、APIをどういう粒度でどう配置してつくっていくか、そういうことは最初の段階である程度、構想が出来ていました。それをエンジニアチームが受け取り、幹となる部分をつくり、順次APIを足していくというような構築の検討をしていきました。

濱野:当時、業務要件はかなり細かくコミュニケーションしていて、差分が出て来たらすぐ分かる状態でやりとりしていました。ただ、つくり方、技術的なところに関しては、任せて進めていたように思います。

── 創業時と現在で、開発方針について何か変化はありますか。

石島:小売企業がデジタルを使いこなし、ビジネスをグロースさせるために必要なプラットフォームを提供すること。そしてそもそもデジタルをどう使いこなすか、事業戦略にどうデジタルを組み込むか、コンサルティングを提供する。このビジネスモデルは、創業時から変わっていないです。

濱野:僕の視点から言うと、始めた当初は、各企業がwebやアプリをつくりこむことに、もっと注力すると思っていたんです。ところがコロナ禍を経て、自分たち独自のものを時間をかけてつくりたいというトーンよりは、「サッとサービスを始めたい」というご要望が多いように思います。そうなると我々としても、標準的なフロント画面、管理画面、アプリ等、すぐに使えるものを提供するなど、アプローチの変更が求められますので、そこを直近は調整していますね。

石島近年「DX」や「内製化」というキーワードが出てきていて、各企業がデジタルに投資していく、という流れは確実にあると思います。ただ、コロナ禍なども影響して、想定していたスピード感とは違ったな、というところですね。

── 「社長に訊く!インタビュー」で、濱野さんには、今後のプリズマティクスの向かう先、実現したいことについて語って頂きました。今回は、石島さん視点でコメントを頂けますか。

石島:プリズマティクスのビジョンでもある、お客様の“wow experience”を実現していくためには、サッとサービスを入れた後、いかにそのサービスを拡張出来るかが肝になってくると思っています。

拡張性の高いプロダクトやサービスをどんどんアップデートしていきながら、いろいろな企業ともっと繋がることで、リテールの会社さんにデジタルを使いこなして頂くためのお手伝いをしていきたいですね。

今回はプリズマティクスの創業期からこれからの抱負まで、CEO濱野さんとCOO石島さんのお二人からお話を聞きました。続く後編では、「社長が訊く!」シリーズならではのコーナーとして、ゲストであるCOO石島さんから濱野さんへ、いつもはなかなか聞けない質問をぶつけて頂きます! 公開をお楽しみに。

(取材・構成・文=プリズマ編集部)

濱野 幸介

【プロフィール】
濱野 幸介
CEO(チーフ・エグゼクティブ・オフィサー)

アクセンチュア株式会社、株式会社リヴァンプ、株式会社良品計画を経て、現職。
クラスメソッド株式会社 マーケティング・テクノロジー担当を兼務。
良品計画では、アドバイザーとして「MUJI passport」の立ち上げなどマーケティング活動全般を技術面より支援。

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