プリズマジャーナルTOP“キラキラした顧客体験”を真剣に考える企業支援を──コンサル、業務支援、プロダクト開発までを視野に入れた、今後の展望 〜プリズマの愛され社長 “濱野さん” インタビュー!

“キラキラした顧客体験”を真剣に考える企業支援を──コンサル、業務支援、プロダクト開発までを視野に入れた、今後の展望 〜プリズマの愛され社長 “濱野さん” インタビュー!

プリズマティクス株式会社は2016年に設立し、2022年現在6期目となります。戦略的OMOを実現するプラットフォームを提供することで、小売業における顧客エンゲージメントを向上するお手伝いをさせていただいています。

2022年9月にオウンドメディア『プリズマジャーナル』を立ち上げ、社員から社長・濱野へ直撃インタビューするシリーズを開始!初回(“キラキラした顧客体験”をつくりたい!が原動力 プリズマティクスのこれまでを振り返る)は、プリズマティクスの“これまで”について、設立の経緯や社名に込めた思いなども語っていただきました。

今回は濱野さんの考えるプリズマティクスの“これから”について、じっくり伺います。

1.「オンラインとオフラインを溶かしていく」がキーワード

── プリズマティクスの“これから”を語っていただく前に、2022年現在、小売り業界が直面している課題についてどう認識されているか教えてください。

濱野:設立した2016年から何年も経ってはいるんですが、引き続き以下のようなところが、小売り業の課題かなと思っています。

・EC/店舗で、会員やポイントが分かれている
・EC/店舗で、注文・在庫が分かれている
・アプリやECから店舗在庫の表示を行いたい
・アプリやECから店舗受け取り/取り置きを行いたい
・アプリやECで店舗商品を決済したり、店舗から配送を行いたい
・ネットスーパーを実現したい

EC、店舗在庫、倉庫、ポイントや会員情報など、まだまだ結構バラバラなので「統合したい」というご希望はまだまだありますね。また2020年あたりから始まったコロナ禍を経て、お客様から「配送してほしい」という声が増えてきているようです。そこで「すぐアプリを始めたい!」「すぐECを立ち上げたい!」といった、“すぐ!”というご要望をよく聞くようになりました。クラウドサービスを始め、テクノロジーが整ってきて、すぐできるようになってきた、という状況あってのことではあると思うんですけど。

このコロナ禍で「お店に行く」ということがとても特別なものになりましたよね。お客さんも「お店まで行くからには、ちょっといい体験がしたい」というのがちょっとあるような気がしています。一方で、行かなくてもスタッフとコミュニケーションできるようにして、それを軸に販売出来るようにしたいとか、お店行く価値をもっと高めたい、イベントやレビューも含めて取り入れて売上拡大したい、そういう話も増えました。

店頭の売上をデジタルのチカラで上げていき、ECをもっと実生活に溶け込ませていくということが必要だなと思っていますね。「オンラインとオフラインを溶かす」とか、「意識せず自然に使っちゃってる」という状態が1番いいと思っているんですよね。そうなるとブランドとしては最高ですね。プリズマティクスとしては、こういうところを支援していかなければならないなと思っています。

2.サッと導入、サッと使えて、サッとカスタマイズ出来るプロダクト

濱野:このような状況がある中で、小売企業側にIT人材が増えているかというと、そういうわけでもないんですよね。小売りの経営層だと「ECとかアプリとかそういうのはさっさと始めて、売上やブランディングに集中したい」という感じ。情報システム部の部長さんレベルでようやく「実績があって予算に合う仕組みをスケジュール通り導入したい」という要望になってきます。

現場のプロジェクト担当だと、人数も足りないし日本企業は部署異動も多いし、業務部門の要求を仕様にまとめるだけで手一杯なんですね。「仕様決めるとかも手伝ってほしい」「他社はどうやってますか」「一度決めたら、そのままトラブルなく進行して欲しい」といった切実な状況を相談されることも多い。内製化するにしても、給与体系が合わなかったり、人が集まらなかったりという事情もありますよね。

ですから、小売り業が求めるものをできるだけサッと入れて、サッと使えるようにしてあげる必要がある。あとは、「サッと入れて、終わり」では無くて、入れた後にサッとカスタマイズしやすいことも大事ですね。そういうものをつくってあげなきゃいけない。

今、プリズマティクスは、ECとCRMと認証認可などを導入するためのAPIプラットフォームをメインに提供してますが、お客様は「APIプラットフォーム」が欲しいわけじゃないですよね。ブランド独自の体験、店舗独自の体験ができて、これらを統合することが出来る、アプリケーションやWeb画面が欲しい。これが本質なわけですよね。この本質的なところを支援していかなければいけないなと思ってます。

3.「キラキラした顧客体験」に真剣に取り組む企業の基盤づくりを支援したい

── 「キラキラした顧客体験をつくりたい」という思いを込めて設立した「プリズマティクス」。今後どのような展望を持っていらっしゃいますか。

濱野本当の意味でのキラキラした顧客体験というのは、小売り業のお客様自身、お客様のブランド、お客さまの商品からしか、つくり出せないモノだと思っています。プリズマティクスの立ち位置としては、テクノロジーやシステムからの支援というところになりますので、そこを一足飛びに着手することはできないと思っているんです。

ただ、そういうモノをつくり出すのって結構、大変です。ユーザーの皆さん、商品やサービスをお使いの皆さんが「それ、あったら嬉しい!」と思うところまで、事業会社が考え抜かないと、出てこない。真剣に「キラキラした体験をつくり込みたい」と考えて、真剣に悩む企業様に寄り添って、時には面倒なところを担うこともしながら、やりたいことを実現する基盤づくりを支援していきたいですね。

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濱野:今、CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)を支援するための新しいプロダクトをつくりはじめているんです。ユーザーさんの“行動”によって、ポイントが発生する仕組みを、明日からでも使えるような仕組みとしてつくっているんです。

例えば「A店舗とB店舗にチェックインしてくれたらポイント貯まります」といった、スタンプラリー。実店舗は、立地によって商品のラインナップが違ったりしますから、複数店舗を見ていただくことで好みに合う店舗を見つけて頂ける利点があります。他にも、ブランドとしてすごくオススメな商品があった時に、バリエーションをいくつか試してみて欲しい、2つ試したらポイントが多くつく、という設計も考えられます。

つくりこむ事が前提であれば既存サービスでも実現出来るんですが、こういうことをやりやすくするような仕組みを提供しようとしてます。でも、仕組みだけだとやっぱり難しい。魂を入れていくのはクライアントさん側じゃないとできないことです。ユーザーさんの行動に対して“交換”できるものがないと、単なる値引きで終わってしまうんです。

ブランドの体験価値を高める“もの”は何なのか、ブランドさんやクライアント企業が考え抜くための、そのお手伝いをしていきたい。そのために、なるべく使いやすく、できるだけすぐ使えるものを提供するというお手伝いや、サポートとしてのコンサルティングとしての支援を、今後も最大限、続けていきたいと思っています。

(取材・構成・文=プリズマ編集部)

濱野 幸介

【プロフィール】
濱野 幸介
CEO(チーフ・エグゼクティブ・オフィサー)

アクセンチュア株式会社、株式会社リヴァンプ、株式会社良品計画を経て、現職。
クラスメソッド株式会社 マーケティング・テクノロジー担当を兼務。
良品計画では、アドバイザーとして「MUJI passport」の立ち上げなどマーケティング活動全般を技術面より支援。

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