プリズマジャーナルTOP連載のまとめ ~ロイヤルティプログラムを見つめなおす3つの問い~
連載のまとめ ~ロイヤルティプログラムを見つめなおす3つの問い~

連載のまとめ ~ロイヤルティプログラムを見つめなおす3つの問い~

「スターバックス・ユナイテッドアローズ・シップスなど有名企業が見直した今 御社のポイントプログラム、見つめなおしてみませんか?」と掲げて、プリズマジャーナルがお送りする連載企画。全六回にわたって「ロイヤルティプログラム」をテーマに、様々な切り口で記事を短期間で投稿してまいりました。

最終回の今回は改めて、見つめなおしのポイントとなる3つの問いを投げかけさせてください。

1.なぜ御社にはロイヤルティプログラムが必要なのですか?

第二回の記事の中で、ロイヤルティプログラムをやる理由の一つとして、「お客さんの情報を集めたいから」という目的もあるという旨の話をしています。
それにより、「お客さんの行動や購買の分析が出来て、より良い商品やサービスなんかを提供できる」という期待がある場合などが例に出ていますね。

お客様のLTVの向上やF2転換の促進などCRM施策としての観点にだけではなく、より事業よりの観点から見た場合の目的設定を組み込むこともあるかと思います。

「ロイヤルティプログラムの良し悪しは最終的に事業目的が達成できているか」なので、この達成したい事業目的が何かを明確にすることはとても重要です。
また、時代が変わり購買以外の接点が作れるようになった今、この目標が変わっているかもしれません。

ロイヤルティプログラムを見つめなおすにあたって、改めて、ロイヤルティプログラムで何を達成したいのか/しなければならないのかを整理を行ってみてください。

2.自社の強みは見えていますか?それを顧客体験として設計できていますか?

第二回の中でも「制度を通じた体験が≪お客さんが求めている≫その企業の強みにマッチしているかどうか」が良いロイヤルティプログラムかを判断する、一つチェックポイントになっているという会話をしています。

「自社の強み」を突き詰めたうえで、その強みを体感できる「顧客体験」がないロイヤルティプログラムは、通り一遍等のプログラムとなってしまい、結果としてお客様に魅力的と思ってもらえず、使ってもらうこともできず、事業目的を達成できないものになってしまいがちです。

ロイヤルティプログラムを見つめなおすにあたって、「自社の強みを突き詰める」とは何か、「顧客体験の設計」とは何かを考えていただくヒントとして、第三回、四回では「自社の強みの整理」と「顧客体験の設計」について深堀を行っています。

「1・なぜ御社にはロイヤルティプログラムが必要なのですか?」で事業目的が達成できていないなという判断になったら、この自社の強みの整理、顧客体験設計を見つめなおしてみてください。

3.収益の検証はできていますか?

第五回では、新制度設計を行った際の費用体効果趣味レーション実施のポイントについて、深堀を行っています。

ここには現在の制度を見つめなおす際にも重要なポイントがたくさん入っています。
・「期待される効果が何なのか」を事前に明確にする必要がある
・「考えられる効果は何があるか」も洗い出し指標を明確にする
・「どこまで費用とみなすか」を明確にする

ロイヤルティプログラムを見つめなおそう思われる多くの場合、「F2転換を促進できていない」や「クロスユース率が上がらない」など、現在の事業上の課題から、だから現在の制度はダメだという判断がされているかと思います。

ただ、「何がダメなのか」をより特定しないと、新制度の検討は進められないかと思います。
・そもそも現在の制度設計時から期待される効果が変わった
・考えられる効果に現在の事業上の課題が対応できていない
・制度設計時には費用とみていなかったものが、現在は費用としてとらえている
など、様々考えられます。

具体的に何がダメなのかを特定しないと、前には進められないので、「収益の検証は出来ていますか?」を最後の問いとして設定させていただきました。

4.最後に

本企画では3月のリテールテックの際に数多くご相談をいただいた「ロイヤルティプログラム」について取り上げてまいりました。
これまで述べてきたように、御社のロイヤルティプログラムも時代の移り変わりとともに変化させるべき時期が来ているのかもしれません。

この一連の連載が、御社のロイヤルティプログラムを見つめなおすきっかけになると幸いです。

加藤 彰浩

加藤 彰浩
(業務・システムコンサルタント)

株式会社セブン‐イレブン・ジャパンを経て、2006年にベネッセコーポレーションに入社。採点サービスの物流基盤デジタル化プロジェクトを皮切りに、新規サービス立ち上げおよび既存サービスの維持・改訂におけるPM/PMOや商品責任者として、戦略立案から企画推進、システム開発、業務運用構築までを一貫して手掛ける。2022年11月クラスメソッドに参画。prismatixのコンサルタントを担当。

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