プリズマジャーナルTOP新しいポイント管理SaaS「fannaly(ファンナリー)」リリース記念! “濱野さん”、エンゲージメント・コマース・アドバイザー 奥⾕さんと熱く語る〜社長に訊く!シリーズ 特別編

新しいポイント管理SaaS「fannaly(ファンナリー)」リリース記念! “濱野さん”、エンゲージメント・コマース・アドバイザー 奥⾕さんと熱く語る〜社長に訊く!シリーズ 特別編

# ファン # 顧客行動 # fannaly # モバイルアプリ

プリズマティクス株式会社は、戦略的OMOを実現するプラットフォームを提供することで、小売業における顧客エンゲージメントを向上するお手伝いをさせていただいています。2022年9月、オウンドメディア『プリズマジャーナル』を立ち上げ、社員から社長・濱野へ直撃インタビューする「社長に訊く!」シリーズを開始しました。

今回はプリズマティクス株式会社にてエンゲージメント・コマース・アドバイザーを務める奥谷 孝司氏にご登場いただき、2023年3月にリリースしたばかりの新サービス「fannaly(ファンナリー)」について、社長“濱野さん”と語り合って頂きました。

サービス発表と共にサービスサイトをローンチし、更にプレスリリースも出していますが、そこには書き切れなかった、いえ、“書けなかった”プリズマティクスの熱い想い。是非、公式サイトやプレスリリースを片手に、“副音声ガイド”としてお楽しみ頂ければと思います。

1. 顧客体験は、購買以外のところに、たくさん広がっている

濱野:新しくリリースしたポイント管理SaaS「fannaly(ファンナリー)」は、購買時のデータを集めるだけのポイント基盤ではなくて、顧客の普段の行動の中でやったことに対して、メリットを還元するということをしたかったんです。

これを企業側のメリットも踏まえて設計できればベスト、ということは、皆さん分かってるとは思うんですが、実際にはなかなか出来ないというのが現実で……。もうちょっと簡単に、誰でも出来る“型”みたいにしていきたい、という課題意識がありました。

奥谷:購買データっていうのは、もう今や、どんな企業でも取っているからね。購買前後の顧客のアクションを、どうデータとして取っていくのか。これが、顧客との関係性マネジメントに寄与してくる。

最近だと、購買商品やサービスとは関係のない質問を顧客に投げかけることで、「ゼロパーティデータ」を獲得することが重要です。例えば「あなたはどんなスポーツが好きで、実際に持っている道具はなんですか」と聞いたりすることが、購買前のデータとして、そして、顧客理解にも大事だったりする。まずは、そういうところからでいいから、顧客体験を考えて欲しい。ホントはもっと広義に考えて欲しいけど、そこからだよね。

濱野:そういう意味で、今回の「fannaly(ファンナリー)」は、奥谷さんと一緒に顧客体験について取り組んできた経験や知見が詰まったサービスだと思っています。

2. ファンの熱量が染み出した時に「受け皿」となるプラットフォーム

濱野:本当はこういうことって、アプリじゃなくても、Webの技術で全部実現出来るものかもしれないけど、生活者から見たらそれはどうでもいいこと。利便性の良い“アプリ”という入口を用意することで、その先にブランドの世界が広がるような状態に出来ると思うんです。

奥谷さんとは「MUJI passport」のプロデュースをご一緒させて頂いたわけですが、実は「MUJI passport」をつくる前に、アナログで“場”を作っていたというのが、大きかったですよね。既にファンの熱量があったから、アプリをつくった時にもバンとはねるものになった。

奥谷:2011年位から、クーポンやメールというデジタルコミュニケーションを活用して、インセンティブに反応してくれたお客さんを店舗に送客するということをしていたね。その後もデジタルを活用したいろんなマーケティングキャンペーンを立ち上げたり、店舗とSNSを連動させる、情報を拡散させていった。それにファンが共感し、熱量としてまたSNSで拡散されるのを見ていたから、「“場”が出来ている」ということには確信があった。

その上で満を持して「MUJI passport」をつくったから、“ファンコミュニティ”と言われるような場所に誰が来てるのかが、まず可視化された。“個の客”を可視化することによって、改めて当時、非常に熱量の高いブランドだなと思ったね。ファンがいるから“場”をつくるのがいいのか、“場”をつくったからファンが付くのか、それはまだ、ちょっと分からないけど。

濱野:継続性、という意味でもこういう“場”は重要だと思っていて。例えばTwitterでバズった商品について、一体誰がそういうことを言っているのか、全部が巻き込めるようなシステムになっていれば、動きを捉えて話が出来るようになりますから。

奥谷: いろんなことが顧客のファン化に繋がっているし、熱量を上げる要素も色々あるんだけど、“それ”が染み出した時に分かるような、受け皿となるデジタルプラットフォームが必要ということだよね。ファンだからこそ、ということもあると思うけど、ネットとリアル、両方を使う人はLTVも高い。スパイク型のマーケティングをストック型にするためにも、CRMベース、IDベース、カスタマー・データ・プラットフォーム(以下、CDP)は必要なんです。

3. 「囲い込み」なんて企業はいうけど、お客さんは自然と離れていく

奥谷:よく企業は「顧客と繋がって、データが欲しい」「売上をあげたい」とかっていうけど、そういうのは全部、企業側の視点なんですよね。「顧客の囲い込み」なんて言ったりするけど、お客さんは自然と離れていきますからね。

濱野:企業側はデータが欲しいから、「これをやって欲しい」と押し付けがちですよね。そうすると、結果的にあんまりデータが集まらなかったりもしますよね。

奥谷全部の顧客タッチポイントを顧客IDで繋げて、データを元に企業と顧客と繋がることが出来れば、もっと顧客理解が深まるのにね。ひとつのデータだけで顧客を見てるから、接点づくりが近視眼的になっちゃう。SNS、テレビ、DM、チラシ、なんでもいいんだけど、そういうのをやった結果を顧客のデータレイクとしてCDPなどに蓄積する仕組みをちゃんとつくれると、実は良いことがあるんだよって、知って欲しいね。

テレビCMやチラシをつくるにしても、そこにURL、QRコードといったデジタルタッチポイントを載せれば、行動が取れるようになるわけだから、ホントはやった方がいい。意図的に顧客行動を取れるような仕組みがあることを前提に、その上で何をやるのか決めるようになれば、顧客体験というものを、より理解出来るようになるんじゃないかな。

4. “繋げたい”を叶える、CRMベースプラットフォームとしての「fannaly(ファンナリー)」

奥谷:僕や濱野くんの場合は、たまたま、こういう流れの超初期段階、プラットフォームをつくる前から色々やってきて、感覚的に全てを繋げてくるということができた。プリズマティクスという会社は、そういう知見や経験が濃密に詰まって出来たともいえるよね。

CRMベースみたいなものをつくって、お客さんのタッチポイントである店舗、ネットストア、アプリ、クーポン発券機やSNSも含め、どう配置するかを考え、顧客の体験データが溜まるような座組をつくる。その一貫性を、しっかり見るということ。これが今、マーケティングやCMOに求められる役割やと思うけどね。

濱野:でも、そうするにはまず設計がちゃんと出来てないといけないし、それ以前に「それが売り上げ向上に効くんだよ」と分からないと、なかなか広まっていかないんですよね。こうすればうまくいく!っていう確信は、あるんですけど……。

奥谷:もし僕らのやってきた“繋げる”ということが、感覚的に実践するのが難しいことなんだとしたら、僕らのこれまでの知見を生かしたサービスが今、新しく出るっていうのは、小売業界にとって、いいことやと思う。

プリズマティクスという会社としても、これに近いことを職人技のスクラッチで、何年間も、いろんな会社とやってきたから、ノウハウが溜まっているわけよね。

“顧客体験の全てが、ここにある”という状態をつくる。そのベースプラットフォームとして、fannaly(ファンナリー)みたいなアプリがあったら、絶対いいぜ、っていうね。「ウチに何でも聞いてくれ!」と言ったら、ええんちゃうかな(笑)。

(取材・構成・文=プリズマ編集部)

奥谷孝司

【プロフィール】
奥⾕ 孝司
エンゲージメント・コマース・アドバイザー

株式会社良品計画にて店舗、商品開発を経験。「足なり直角靴下」を開発後、2010年WEB事業部長に就任。Online売上の拡大のみならず「MUJI passport」のプロデュースを統括し、業界に先駆けてオムニチャネル戦略の立案と遂行。
2016年よりオイシックス・ラ・大地株式会社 専門役員 COCO(Chief Omni-Channel Officer)。2018年9月には株式会社大広との共同出資会社である株式会社顧客時間を設立、共同CEO取締役を務める。

<主な著書>
「世界最先端のマーケティング 顧客とつながる企業のチャネルシフト戦略」
「マーケティングの新しい基本顧客とつながる時代の4P×エンゲージメント」

濱野 幸介

【プロフィール】
濱野 幸介
CEO(チーフ・エグゼクティブ・オフィサー)

アクセンチュア株式会社、株式会社リヴァンプ、株式会社良品計画を経て、現職。
クラスメソッド株式会社 マーケティング・テクノロジー担当を兼務。
良品計画では、アドバイザーとして「MUJI passport」の立ち上げなどマーケティング活動全般を技術面より支援。

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