プリズマジャーナルTOP「個客」に応じた感じ良いコミュニケーション 〜11/11開催オンラインセミナーレポート〜

「個客」に応じた感じ良いコミュニケーション 〜11/11開催オンラインセミナーレポート〜

プリズマティクスは2022年11月11日、クラスメソッド株式会社の共催、Braze株式会社の協力にてオンラインセミナーを開催。『ユナイテッドアローズ・北欧、暮らしの道具店・無印良品が描く未来 顧客に寄り添うコミュニケーション戦略』と題し、顧客とのコミュニケーションについて先進的な取り組みを行っている企業様からお話を伺いました。

本レポートでは、プリズマティクスがOMO/オムニチャネルのシステムを支援する株式会社良品計画より、EC・デジタルサービス部デジタルコミュニケーション課の清水 聡子氏をお迎えした、特別講演3「『個客』に対応した“感じ良い”コミュニケーション」の内容をご紹介。併せて“見逃し”してしまった方へ向け、動画アーカイブ配信をご案内します。

1.“第二創業”で変わった、良品計画のDX推進

清水氏は美大を卒業後、広告業界にデザイナーとして従事し、2010年から顧客データを活用した1to1マーケティングのプランナー兼アートディレクターとして大手企業へ。その後も2社でテクノロジーとクリエイティブを融合させてお客様に施策を届けるという案件に携わって来られました。2021年11月に良品計画に入社され、今は「感じ良いオンライン」の実現へ向け、顧客起点のコミュニケーション施策を担当されています。

良品計画では、2021年9月に新社長が就任し、「第二創業」と位置づけて新たな取り組みを進められています。この “第二創業”については、プリズマティクス濱野が株式会社良品計画 ITサービス部執行役員 久保田氏からもお話を伺っており、現在の良品計画における重要な指針となっていることが分かります。併せてご覧ください。

2.「感じ良いオンラインって、なんだろう」考えるところが、スタートライン

「私の所属するEC・デジタルサービス部は“感じ良いオンラインの提供”の実現を担う部署ですが、更にデジタルコミュニケーション課として何をミッションとしているかというと、“感じ良いオンライン接点の創出と提供”です。でも、“感じ良いオンライン”というのが何かというと、社内でもはっきりした定義は無いんですね」(清水氏)

中期経営計画には 「道具としてのテクノロジーを適切に使いこなしオンライン活用での利便性と、物流を含めた人と人との直接接点による温かみや手触り感など情緒性を、同時に、ちょうどよく、実現している。」という一文があります。“定義”そのものではありませんが、これを目指しながら、それぞれの部署がそれぞれアクションを考えながら進めているといいます。

表の半分は「大事にしていること」残りの半分は「やらないこと」と書かれています。モデレーターのBraze木戸秋氏はこれを見て「“やらないこと”をここまで明記しているというのはすごいですね。非常に重要だとは思うんですが、これをされているというのは何かきっかけがあったんでしょうか」と質問しました。

「弊社は新卒入社のプロパー社員がすごく多く、このようなことは明記しなくても基本姿勢として持っている人が多いんですね。ただ、私のような中途の人間に明確に分かるような形では、無いんです。でも施策を進めるにあたって『それって、無印良品らしいのかな?』と問われることがすごく多い。その“らしい”を理解するためには、このように“やらないこと”を明記したほうがブレは少ないと思ってつくっています」(清水氏)

3.「個客」アクションを起因としたMAシナリオで“心地良い”を模索

2021年8月からMA(マーケティングオートメーション)を導入した良品計画ですが、これまで全くそのような仕組みを入れていなかったということで、まずは約半年をかけて、最低限の仕組みを導入。お客様からの反応を見ながら、3月からは本格的に活用範囲の拡張を始めました。2023年以降はお客様にとって最適なメディアで最適なコンテンツを届けられるようにと改修を重ね、実現していきたいと清水氏は語ります。

「無印良品では、ネットストア会員、MUJI passportアプリ会員、LINE会員と3つのチャネルがあり、それぞれに対応した施策を実施。MAはシナリオを17実装済です。新しい商品が出たというような時は、皆様に新しい商品との出会いを創出するという為に一斉配信もしていますが、MAは基本的に企業側のタイミングではなく、お客様起因のタイミングでシナリオをつくり情報を配信することで、“感じ良い”コミュニケーションをするように注力しています」(清水氏)

木戸秋氏は、自身の無印良品ユーザーとしての印象から「昔から無印良品は、コミュニケーションをむしろ重視されているように感じていましたが、メール一括配信くらいしかされていなかったのが驚きです」とコメント。すると清水氏から「実はそれも、あまりしていなかったようなのです。MUJI passport内でのコンテンツ配信はやっていましたが、プッシュでは配信されていなかったようですね」との答えがありました。

「無印良品では、“第二創業期”まで、いわゆるマーケティング、“売るため”のマーケティング、というものをしてこなかったーーーーという文化があったのではないかと思います。それよりもお客様の役に立つ商品をつくる、それをお届けする、ということに注力してきた。しかしこの“第二創業期”の目的を達成するためには、それだけでは実現が出来ないということで、ギアが切り替わったのではないかと思います」(清水氏)

セミナーでは、「個客」に対応したMAシナリオの内容や、どのようなステータスの会員に配信しているのか、データ取得、保持、またシステム構成や連携の苦労など、実務に則した具体的なお話をしていただきました。本セッションの全編は、プリズマティクスの「動画閲覧」にて全編を無料アーカイブ動画として配信中です。下記動画閲覧ページよりお申し込み頂き、ご覧ください。

プリズマ編集部

「the engagement commerce platform for wow! experiences」をコンセプトに、小売業における顧客エンゲージメント向上の支援、戦略的OMOを実現するプラットフォーム提供を行うプリズマティクス株式会社が運営する、オウンドメディア『プリズマジャーナル』編集部。

『プリズマジャーナル』では、プリズマティクスで活躍するコンサルタントが執筆するコラム「徒然ジャーナル」、業界の先端を走り続けるプリズマティクスアドバイザーからの寄稿文など、小売業の皆様に向けて伝えたいこと、耳寄りな情報などをお送りします。

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