プリズマジャーナルTOPOMO 時代のシステムアーキテクチャ (1) ヘッドレス
OMO 時代のシステムアーキテクチャ (1) ヘッドレス

OMO 時代のシステムアーキテクチャ (1) ヘッドレス

# OMO # ヘッドレスコマース # API連携 # オムニチャネル # ヘッドレスコマース

「OMO (Online Merges with Offline) を実現したい」と言われたとき、どのようなシステム構成を思い浮かべるでしょうか。この問いに対する1つの解をお持ち頂くことを目指して、これから複数回にわたり連載をしていきたいと思います。

1. OMO とは

最近、 OMO (Online Merges with Offline) という言葉を耳にすることが増えていませんでしょうか。どのようなものなのか、 OMO と合わせて紹介されることの多い、 O2O / オムニチャネルとの関係で考えてみましょう。

それぞれ一言で表現すると、以下のようになります。

● O2O : ネットからリアルの場へと送客
● オムニチャネル : 複数のチャネルを用意して情報発信や商品提供
● OMO : オンラインとオフラインを一体のものと捉えて顧客体験を設計

OMO の意義については、プリズマティクス シニアコンサルタントの金子氏が執筆している、下記の記事も参考にされてください。

では、 OMO を実現したい場合、どのようなシステム構成が求められるのでしょうか。上図では、 OMO は、オンラインとオフラインの 2 種類に分かれていますが、実際には、オンラインとオフラインの様々なチャネルが、融合した形で含まれています。つまり、オムニチャネルと同様に、ユーザーは複数のチャネル (やデバイス) を利用することになります。

複数のチャネルとそのシステムについて、そのままイメージすると、下図のようになるでしょうか。

もっと改善できるところがありそうですね。複数のシステムに、同じような機能があり、無駄が多そうです。また、オンラインとオフラインの融合を目指すのに、データも各チャネルに閉じており、融合された体験を目指すのが難しそうです。ユーザーとしても、「EC と店舗で、顧客情報やポイント情報は別です」と言われたら悲しいですよね。

解決策としては、機能を共通化して、各チャネルから共有できるとよさそうです。
一方、各システムについてその構成を考えると、下図のように、フロントエンド (画面など) とバックエンド (データ / ビジネスロジックなど) が密に結合している状態が多いかと思います。

この状態から、共通化できるのでしょうか。フロントエンドは各チャネル毎に異なるため、共通化するのは、バックエンドになります。以下のようなイメージでしょうか。


図に書くとできそうな気もしますが、実際には、各フロントエンドとバックエンドが蜜に結合しているため、「どこかを修正するとどこかに影響が出るため修正できない」などの理由で、難しいのが実情かと思います。このような課題感をお持ちのシステム担当者様は多いのではないでしょうか。この状況を打破し、共通化を目指せる構成は存在するのでしょうか。

2. OMO に必要なシステム構成 : ヘッドレス

結論からお伝えすると、ヘッドレスという構成によって解決できそうです。ヘッドは、画面などのフロントエンドを意味します。つまり、フロントエンドのない構成となります。ヘッドレス CMS / ヘッドレスコマースという言葉を耳にした方がいらっしゃるかもしれませんが、そのヘッドレスです。どのような構成なのでしょうか。先ほど、「フロントエンドがない」と書きましたが、実際には、フロントエンドとバックエンドが分離され、 API を介して疎結合になっている構成を指します。

もう一歩、推し進めましょう。各チャネルに固有の画面や機能をフロントエンドに構築し、共通機能を API とバックエンドに構築します。

このような構成にすると、 API 仕様を決めておけば、フロントエンドとバックエンドは個別に構築を行えます。特に、各チャネルは、独自の体験を提供したいと思いますので、その部分をフロントエンドに構築すればよいことになります。また、各チャネルから共通のデータを扱えるため、ユーザーに提供できる価値も増えそうですね。さらに、各チャネルの機能重複も削減できそうです。

実際のプロジェクトでは、まずは EC をヘッドレス化して、次にアプリのような形で広げていくことが多いかなと思います。

OMO を見据えた場合、ヘッドレスという構成をとっておけると、その後の新たなチャネル拡張などの際に恩恵がありそうです。一方、このような構成を実現するには、 API 開発や、 API を用いたフロントエンド開発など、難易度の高い設計 / 開発が求められます。

しかし、目指すのは、オンラインとオフラインが融合された体験です。

テクノロジーを使いこなし、新たな体験を生み出すことが、価値の創出につながっていくのではないでしょうか。そんな状態を目指す皆様の一助になればと思います。

早川 貴裕

執筆者プロフィール

早川 貴裕  ソリューションアーキテクト

ソフトバンク、DeNAなどで、PMO、ITエンジニアとして、携帯端末販売システム、EC、物流サービスなどの開発に従事。前職では、アパレル製品の製造小売を行うマザーハウスで、ITグループリーダーとしてシステム対応全般を担当。学生時代は物理学を専攻し、その後経営学修士を取得。2020年11月にクラスメソッドに参画。prismatixの導入支援、導入後サポートを担当。

≪支援実績≫
・OMO/EC :アンファー、グラニフ(導入後サポート、導入支援)
・CRM:サンリオ、大手アパレル(導入後サポート、導入支援)

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