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ペルソナマーケティングは古い? 必要ない? 現代の設定方法、活用シーンも解説

ペルソナマーケティングは古い? 必要ない? 現代の設定方法、活用シーンも解説

ペルソナマーケティングは、顧客のニーズを正確に把握し、効果的な施策を生み出すための手法です。近年はAIやデータ活用の進化により変化も求められていますが、今なお多くの企業で活用されています。しかし、一部ではペルソナマーケティングは「古い」ともいわれています。

そこで、本記事では、ペルソナマーケティングの基本から最新の活用法まで解説します。

1.ペルソナマーケティングとは?

ペルソナとは、自社の商品やサービスを利用する典型的な顧客像を、実在しそうな一人の人物として詳細に描写したものです。

ペルソナ設定の基本的な要素

ペルソナを設定する際には、以下のような項目を具体的に定め、業種や目的に応じて詳細に設計します。

・年齢、性別、居住地
・職業、業種、役職、年収
・家族構成、人間関係
・趣味、関心事
・価値観、目標
・情報収集方法
・購買動機や課題、行動パターン

ペルソナの定義と従来のマーケティングとの違い

従来の「ターゲット」は「20代女性」「40代会社員」など属性で大まかにグルーピングする手法でした。
ペルソナは、そこから一歩進み、趣味や価値観、行動パターン、生活背景までを詳細に設定します。抽象的な顧客層ではなく、実際に存在しそうな一人の人物として施策を考えられる点が大きな違いです。

ペルソナマーケティングの歴史

ペルソナという考え方は1990年代後半から米国で広まりました。
背景には、消費者ニーズの多様化や1to1マーケティングの重要性が高まったことがあります。

日本でも2000年代以降に普及し、Soup Stock Tokyoの事例(1999年創業)など、日本企業でも本格的に導入され始めます。
ペルソナを具体的に設定し、商品開発や店舗設計に活かす手法が成果を上げたことで、多くの業界で採用が進みました。
参考:Soup Stock Tokyo(スープストックトーキョー)

従来のペルソナ設定例

ここでは、ペルソナ設定例を紹介します。

●BtoCビジネスにおけるペルソナ設定例
「37歳女性、都心で働くキャリアウーマン、健康志向でランチは野菜中心、休日は美術館巡り」など、具体的な生活や価値観を盛り込んだ設定が一般的です。
●BtoBビジネスにおけるペルソナ設定例
「食品メーカーの生産管理担当、35歳男性、エクセルを駆使し生産計画を立案、新しいITツール導入に前向き」など、個人と企業の両面を設定します。

ペルソナマーケティングのメリット・デメリット

ペルソナマーケティングの主なメリットとデメリットを表にまとめました。

メリット デメリット
  • 具体的な人物像を描くことで、顧客の本質的な課題や期待を把握できる
  • 誰に向けて何を伝えるかが明確になり、広告や商品開発、コンテンツ制作の質が高まる
  • 共通の顧客像をチームで共有し、意思決定やコミュニケーションが円滑になる
  • 精度の高いペルソナには多くのデータ収集や分析が必要である
  • 特定のペルソナに集中しすぎると、他の潜在顧客への訴求力が下がる
  • ペルソナは定期的な見直しが不可欠で、市場や顧客の変化に追従しにくい

 

2.「ペルソナマーケティングは古い・必要ない・失敗する」「ペルソナ設定の時代は終わった」と言われる理由

近年、「ペルソナマーケティングは時代遅れ」「必要ない」といった声が増えています。背景にはテクノロジーの進化や消費者行動の変化があります。以下で詳しく見ていきましょう。

AI技術の発達による影響があるから

AIや機械学習の進化により、膨大なデータをリアルタイムで分析し、個々の顧客行動や嗜好を瞬時に把握できるようになりました。
従来の静的なペルソナではなく、AIが自動でユーザーごとに最適な広告やオファーを出し分ける「超個別化マーケティング」が主流になりつつあります。このため、固定的なペルソナ設定の意義が薄れていると指摘されます。

ユーザーとのタッチポイントの多様化しているから

SNSや口コミサイト、動画プラットフォームなど、消費者が情報に触れる経路が大幅に増えました。
一方的な広告だけでなく、ユーザー発信型コンテンツの影響力も拡大しています。
複数チャネルを横断する購買体験が一般化し、単一のペルソナ像では全体像を捉えきれなくなっています。

消費者行動が複雑化しているから

オンラインとオフラインをスムーズに行き来できる購買プロセスや、複数の情報源を横断して意思決定する消費者が増えています。
また、同じ人でも状況やタイミングによって購買動機や行動が変化するため、従来型のペルソナでは対応が難しいケースも増加しています。

顧客ニーズの細分化と変化が加速しているから

市場の細分化が進み、顧客ニーズや価値観の多様化・変化スピードが加速しています。
一度設定したペルソナがすぐに陳腐化し、最新のニーズを捉えきれないリスクが高まっています。
トレンドの変化に柔軟に対応するためには、よりダイナミックな顧客理解が求められるでしょう。

3.ペルソナマーケティングが今なお有効である理由と活用シーン

テクノロジーが進化し、AIやビッグデータがマーケティングに浸透しても、ペルソナマーケティングは依然として多くの企業にとって不可欠な手法です。ここからは、今もペルソナマーケティングが有効な理由を解説します。

企画・開発段階で必要とされている

商品やサービスの企画・開発段階でペルソナを設定することで、ターゲットとなるユーザーの具体的なニーズや課題を明確に把握できます。たとえば、年齢や性別だけでなく、生活スタイルや価値観、購買動機まで詳細に想定することで、顧客が本当に求める商品設計やサービス改善が可能です。

その結果、開発段階での無駄なコストや時間の削減につながり、市場投入後の失敗リスクも低減します。さらに、ペルソナをもとにした仮説検証を繰り返すことで、より精度の高い商品開発が実現します。

コンテンツマーケティングとの親和性が高い

オウンドメディア運営やコンテンツ制作の現場では、ペルソナを明確にすることで「誰に」「どんな課題を解決するために」情報を届けるのかが明確になります。これによって、読者の関心や悩みに寄り添ったコンテンツを効率的に生み出せるため、閲覧率やシェア率の向上、さらには売上アップにも直結します。

ペルソナを軸にしたコンテンツ戦略は、SEOやSNS運用とも相性が良く、ターゲット層へのリーチやエンゲージメントを最大化するうえで大きな効果を発揮します。

チーム内のコミュニケーションツールとしての価値がある

ペルソナは、マーケティング部門だけでなく開発、営業、カスタマーサポートなど部門を超えて顧客像を共有する「共通言語」として機能します。その結果、組織全体が顧客視点で意思決定しやすくなり、部門間の連携やプロジェクト推進のスピードが向上します。

また、ペルソナを用いることで顧客中心のアプローチが定着しやすくなり、顧客満足度向上やブランド価値強化にもつながります。

4.現代に適応したペルソナマーケティングの方法

デジタル時代の今、ペルソナマーケティングも進化が求められています。
従来の手法に加え、データやAIを活用した柔軟なアプローチが重要です。

ペルソナ設定で重要なこと

ペルソナ設定では、より詳細かつ多面的な顧客像を描くことが求められます。年齢や性別だけでなく、趣味や価値観、購買動機、行動パターン、さらにはSNSでの発言や購買履歴など、リアルな生活や心理まで踏み込んで設計します。

また、市場や顧客の変化に合わせてペルソナを定期的に見直し、アップデートする姿勢が不可欠です。
一度作ったペルソナを使い続けるのではなく、常に現実に即した顧客像を追求しましょう。

●より詳細かつ多面的なペルソナの設定
従来の属性情報に加え、ライフスタイルや価値観、購買動機、SNSでの情報発信傾向なども取り入れます。
これにより、よりリアルな顧客像を描き、施策の精度を高めます。
●市場の変化にあわせたペルソナの構築
市場環境やトレンドの変化、顧客ニーズの移り変わりに応じて、ペルソナを柔軟に調整します。
定期的なデータ分析や顧客インタビューを通じて、現実に合ったペルソナへアップデートしましょう。

データとペルソナの融合

デジタル技術の進歩により、リアルタイムデータやAIを活用したペルソナ分析が可能になっています。
定量データ(購買履歴、サイトアクセスログ)と定性データ(SNS投稿、カスタマーサポート記録)を組み合わせて、より精緻なペルソナを構築します。

●リアルタイムデータを活用したペルソナの強化
WEBサイトの閲覧履歴や購買データ、SNSでの発言など、最新のデジタルフットプリントを活用し、ペルソナの行動やニーズをリアルタイムで把握します。そうすることで、ペルソナの陳腐化を防ぎ、常に現実に即した顧客像を維持することが可能です。
●AIを活用したペルソナ分析の高度化
AIや機械学習を使えば、膨大な顧客データから行動パターンや潜在ニーズを自動で抽出できます。
その結果、従来の直感や経験に頼らない、客観的かつ最新のペルソナ設計が可能です。

マイクロペルソナの活用

顧客ニーズの細分化に対応するため、従来よりもさらに細かい「マイクロペルソナ」を設定する動きが広まっています。特定のプロモーションや商品ごとに複数のペルソナを設計し、状況やチャネルに応じて使い分けます。

●より細分化されたペルソナ設定
たとえば「20代女性」と一括りにせず、「美容意識が高い」「アウトドア好き」「SNSインフルエンサー志向」など、複数の軸で細分化します。
●複数のペルソナを組み合わせたアプローチ
商品や施策ごとに複数のペルソナを設定し、それぞれに最適な施策を展開すれば、幅広いニーズに柔軟に対応できます。

ペルソナとカスタマージャーニーマッピングの統合

現代のマーケティングでは、ペルソナとカスタマージャーニー(顧客の購買プロセス)を統合して設計することが重要です。顧客がどのような経路で情報収集し、購買に至るかを多角的に分析し、各タッチポイントで最適な体験を提供できます。

●多様なタッチポイントを考慮したペルソナ設計
オンライン・オフラインを問わず、顧客が接触するあらゆるチャネル(店舗、EC、SNS、口コミなど)をペルソナ設計に反映しましょう。
●オムニチャネル時代のペルソナの活用法
複数チャネルを横断する購買行動に対応するため、各チャネルでの行動や心理をペルソナに組み込みます。そうすれば、どの接点でも一貫した顧客体験を提供できます。

5.まとめ

ペルソナマーケティングは、顧客理解や施策の精度向上、組織内の認識統一に今なお大きな価値があります。現代ではAIやデータを活用し、マイクロペルソナやカスタマージャーニーとの統合でさらなる進化が可能です。

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