プリズマジャーナルTOPLINEのCRMとは? 機能や効果的な活用方法、導入ステップも解説
LINEのCRMとは? 機能や効果的な活用方法、導入ステップも解説

LINEのCRMとは? 機能や効果的な活用方法、導入ステップも解説

LINEは日本で圧倒的な普及率を誇るコミュニケーションアプリです。その膨大なユーザー基盤を活かしたLINE CRMを導入し、集客や販売につなげる企業も増えています。

これからLINE CRMを導入し、様々な施策に活かしたいと考えている担当者もいるのではないでしょうか。そこで、本記事ではLINE CRMの概要からその効果的な活用方法、導入ステップまでを詳しく解説します。

1.LINEのCRMとは?

LINEは日本国内において9,700万人以上(2024年12月時点)が利用する国民的なメッセンジャーアプリです。この広大なユーザー基盤を活かしたビジネス活用が急速に広がっています。

LINE CRMとは、LINE公式アカウントと顧客管理システムの連携を通じて顧客との関係構築から管理、分析までを一元的に行うマーケティング手法を指します。友だち追加したユーザーの情報を収集・整理し、属性や行動に基づいた最適なコミュニケーションを実現します。

主な機能は下表をご覧ください。

機能 概要
メッセージ配信 属性や行動履歴に基づいたセグメント別の情報発信
自動応答 チャットボットによる24時間対応と有人対応の連携
クーポン配布 来店や購買を促進する特典の提供
顧客データ分析 行動パターンの把握とマーケティング施策への活用
カスタマージャーニー 購買プロセスの可視化と各段階に応じた最適なアプローチ
ステップ配信 顧客の行動や時間経過に応じた段階的なメッセージ送信

 

2.LINE CRMのメリット

LINE CRMは顧客との関係構築において有効なツールとなります。他のコミュニケーション手段と比較して、多くの優位性を持ち合わせています。

高い到達率と開封率

LINEは利用ユーザー数が多く、メールマーケティングと比較すると、開封率の高さが特徴です。
メールの平均開封率は業種や顧客との関係性によって変動しますが、LINE公式アカウントのメッセージ開封率は一般的なメルマガの数倍になります。

またメッセージの即時性も大きな強みです。プッシュ通知可能なため視認性も高く、ユーザーの目に触れる確率が格段に上がります。
さらに、メールの場合はサーバーエラーで届かないケースや迷惑メールフォルダに振り分けられることがありますが、LINEではブロックされていなければほぼ確実にメッセージが届きます。

このように、LINEは生活者との距離の近さが開封率の高さに直結しており、タイムセールスの告知など即時性が求められる施策に大きな効果を発揮します。

リアルタイムコミュニケーション

LINEを活用したCRMの大きな強みは、顧客とのリアルタイムコミュニケーションが可能な点です。顧客からの問い合わせに対して即座に回答を提供したり、問題解決のためのサポートをその場で行えます。

自動応答メッセージ機能を活用すれば、営業時間外でも顧客対応が可能になり、顧客満足度の向上につながります。質問や要望をすぐに確認し返信できるため、顧客との信頼関係構築に役立つでしょう。

また、チャットボットを導入することで、簡単な問い合わせや定型的な質問に自動で対応できるようになります。その結果、24時間365日、迅速な顧客対応が実現します。

コスト効率の良さ

LINE公式アカウントは比較的低コストで導入でき、一定数のメッセージ配信まで無料で行えます。特に中小企業にとって導入しやすいCRMツールといえるでしょう。

確かにスタンダードプランでは追加メッセージが1通あたり2〜3円かかり、多数の顧客への送信となるとコストが気になります。しかし、高い開封率と即時性を考慮すると、費用対効果は検討の価値があります。

特に「限定商品やキャンペーンなどをお知らせする即時性の高い広告」として活用すると効果的です。配信に対するユーザーの反応速度は非常に速いため、短期間で大量のアクセスを獲得できる可能性があります。

また、チャットボットや自動応答機能を活用することで、カスタマーサポートの人件費削減にもつながります。顧客対応の自動化により、スタッフは付加価値の高い業務に集中できるようになるでしょう。

データの一元管理と分析

LINE CRMの特徴として、顧客情報の一元管理と詳細な分析が可能な点も挙げられます。具体的には、友だち追加したユーザーの属性情報や行動履歴を収集・分析することで、顧客理解を深められます。

また、LINE IDと自社の顧客データベースを連携させることで、オンラインとオフラインの行動を紐づけた統合的な顧客分析が可能です。そして、顧客の嗜好や行動パターンに基づいた個別化されたマーケティング施策を展開できます。

さらに、メッセージの開封率やリンクのクリック率、クーポンの利用状況など、様々な行動データを収集・解析することも可能です。CRMとMAツールを併用すれば、メール・SMS・LINEといった複数のチャネルを一元管理でき、より効率的な顧客管理につながります。

3.LINE CRMの効果的な活用方法

LINE CRMを最大限に活用するには、戦略的なアプローチが必要です。単にメッセージを送るだけでなく、顧客との関係構築から分析まで一貫した取り組みがポイントになります。

顧客とのやりとりを最適化

LINE CRMでは、顧客とのコミュニケーション方法を複数用意できます。最も基本的なのはチャットボットによる自動応答です。よくある質問や定型的な問い合わせに対して24時間365日対応できるため、顧客満足度が向上します。

一方、複雑な相談や個別の案件には、オペレーターによる有人対応が効果的です。顧客の感情や状況を理解し、柔軟な対応が可能になります。特に商品選びのアドバイスや苦情対応では、人間ならではの共感力が問題解決に役立ちます。

最も効率的なのは、これらを組み合わせたハイブリッド型の対応システムでしょう。初期対応はチャットボットが行い、複雑な内容になったら人間のオペレーターに引き継ぐ仕組みです。この方法なら顧客の待ち時間短縮と対応品質の両立が図れます。

効果的なメッセージ配信戦略

LINE CRMの強みを活かすには、適切なメッセージ配信戦略が欠かせません。まずはセグメント配信から始めましょう。年齢、性別、地域などの属性や購買履歴に基づいて顧客を分類し、それぞれに最適なメッセージを届けます。

次に効果的なのがステップ配信です。顧客の行動や時間経過に応じて段階的にメッセージを送る手法です。たとえば、友だち追加後の歓迎メッセージ、数日後の商品紹介、さらに数日後の特別オファーといった流れで関係を深めていきます。

また、テキストだけでなくリッチメッセージも活用しましょう。画像や動画を含むメッセージは訴求力が高く、顧客の興味を引きやすいです。カルーセル形式で複数の商品を紹介したり、動画で使い方を説明したりすると効果的です。

キャンペーンとプロモーション

LINE CRMを活用したキャンペーンは顧客エンゲージメントを高めるために有効です。そのなかでも、クーポン配布は最も人気のある施策の一つです。期間限定や友だち限定のクーポンは新規顧客獲得とリピート促進に効果があります。

また、会員限定情報の配信も効果的です。新商品の先行案内や限定イベントの告知など、LINE友だちだけが得られる特別感のある情報を発信しましょう。顧客にとって価値ある情報を得られるとブロック率が下がり、ロイヤルティが向上します。

イベント告知と参加促進にもLINE CRMは最適です。イベントの案内だけでなく、参加申し込みやリマインド通知、イベント後のフォローアップまで一貫して行えます。さらに、参加者の反応データを収集し、次回のイベント改善に役立てられます。

顧客データの分析と活用

LINE CRMの強みは、顧客データの収集・分析・活用にあります。具体的にはメッセージの開封率やリンクのクリック率、クーポンの利用状況など、様々な行動データを収集できます。

これらのデータを解析すれば、顧客の嗜好や行動パターンが見えてきます。たとえば、どの時間帯にメッセージを開封する率が高いのか、どのような内容に反応しやすいのかなどがわかります。

さらに進んだ活用法として、AIを活用した予測分析があります。過去の購買パターンから次に購入しそうな商品を予測したり、離反しそうな顧客を特定したりできます。その結果、先回りした提案や離反防止策の実施も可能です。

そして、得られたデータと分析結果をもとに、PDCAサイクルを回しましょう。施策の効果を測定・分析し、次の施策に活かすことで、継続的な改善と最適化が実現します。

4.LINE CRMツールの選び方

LINE CRMツールは多くの種類があり、自社の課題や目的に合った最適なものを選ぶことが大切です。各ツールには特徴や強みがあるため、以下のポイントを基準に比較検討しましょう。

機能の充実度

LINE CRMツールを選ぶ際には、はじめに必要な機能が揃っているかを確認してください。基本的なメッセージ配信機能だけでなく、セグメント配信やステップ配信の精度も重要です。

また、顧客データの管理・分析機能の有無も確認しましょう。顧客属性や行動履歴を細かく分類・分析できるか、タグ付けやフラグ立てなどの管理機能は充実しているかをチェックしてください。

それから、チャットボット機能の柔軟性や精度も確認しましょう。単純な自動応答だけでなく、条件分岐や自然言語処理の精度が高いツールなら、より複雑な顧客対応も自動化できます。

価格と費用対効果

LINE CRMツールの価格体系は様々です。月額固定制、従量制、初期費用と月額費用の組み合わせなど、ツールによって異なります。

大切なのは単純な価格の安さだけでなく、費用対効果も考慮することです。より高機能なツールは価格も高くなる傾向がありますが、それによって得られる効果(顧客獲得数の増加、リピート率の向上、業務効率化など)も期待できます。

特に自社の規模や顧客数に応じたプランが用意されているか、将来的な拡張性の有無もチェック項目にしましょう。

導入のしやすさ

LINE CRMツールの導入しやすさも重要な選定基準です。特にIT専門知識が限られている中小企業にとっては、直感的で使いやすいインターフェースを持つツールが望ましいでしょう。

また、導入支援やトレーニングが充実しているか、マニュアルやヘルプデスクは整備されているかも確認します。特に「伴走支援型」のツールであれば、カスタマーサポートチームによる手厚い支援を受けられます。

さらに、テンプレートやサンプルシナリオが豊富に用意されているツールなら、初心者でもすぐに効果的な施策を始められます。

他システムとの連携性

LINE CRMツールを最大限に活用するためには、既存の社内システムとの連携が重要です。そこで、自社のECサイト、顧客管理システム、POSシステムなどと連携できるかを確認してみましょう。

特にLINE IDと自社の顧客データベースを紐づける「ID連携」の容易さは比較ポイントです。また、GoogleアナリティクスやSNSマーケティングツールなど、他のマーケティングツールとの連携性も考慮しましょう。

5.LINE CRM導入ステップ

LINE CRMを導入するには、計画的に進める必要があります。単にツールを導入するだけでなく、事前準備から運用まで一貫した取り組みがポイントです。

1.現状分析と目標設定

まずは、自社の現状分析と明確な目標設定から始めてください。そのために現在の顧客管理の課題や改善点を洗い出しましょう。たとえば「顧客情報が散在している」「個別対応ができていない」などの問題点を明確にします。

次に、LINE CRMを導入することで達成したい具体的な目標を設定してください。「新規顧客獲得数を20%増加させる」「リピート率を15%向上させる」「顧客対応の工数を30%削減する」など、数値化された目標があると効果測定がしやすくなります。

なお、目標設定の際には、短期的な目標と中長期的な目標を分けて考えるとよいでしょう。まずは3ヶ月以内に達成できる小さな成功体験を積み、その後1年程度の中期目標へとステップアップしていきます。

2.適切なツールの選定

目標が定まったら、それを実現するための適切なLINE CRMツールを選定します。
選定の際は、先述したように必要な機能が揃っているかを最優先に確認しましょう。

また、予算との兼ね合いも重要です。ツールの価格体系は月額固定制や従量制など様々なので、自社の規模や友だち数に合ったプランを選びます。初期費用がかからないツールや、無料トライアル期間があるツールを活用するのも一つの手段です。

3.運用体制の構築

ツールを導入したら、効果的に運用するための体制づくりが不可欠です。まずは担当者や責任者を明確に定め、必要に応じてチーム編成を行います。小規模な組織でも最低2名以上の担当者を置くと、知識の共有や引継ぎがスムーズになります。

次に運用ルールやガイドラインを策定します。メッセージ配信の頻度や時間帯、トーン&マナー、問い合わせ対応のフローなど、一貫性のある運用のためのルールを定めましょう。

担当者向けのトレーニングも大切です。ツールの使い方だけでなく、効果的なCRM戦略や顧客コミュニケーションのノウハウも学ぶ機会を設けることも運用には欠かせません。ほとんどのツールは提供会社が導入サポートやトレーニングプログラムを用意しているので、積極的に活用しましょう。

4.PDCAサイクルの確立

LINE CRMを成功させるためには、継続的な改善が欠かせません。そのためにPDCAサイクル(Plan-Do-Check-Action)を確立し、定期的に効果測定と改善を行いましょう。

計画(Plan)では、具体的な施策や配信内容、ターゲットセグメントなどを計画します。
実行(Do)では、計画に基づいてメッセージ配信やキャンペーンを実施します。
評価(Check)では、開封率やクリック率、コンバージョン率などの指標を分析し、施策の効果を測定します。LINE CRMツールの多くは分析機能を備えているので、データに基づいた評価が可能です。
改善(Action)では、分析結果をもとに次の施策を改善します。うまくいった施策は継続・拡大し、効果の低かった施策は見直しや中止を検討します。このサイクルを繰り返すことで、LINE CRMの効果を最大化できるでしょう。

6.まとめ

LINE CRMは、到達率と開封率が高い、リアルタイムでコミュニケーションがとれる、比較的低コストで導入できる、データの一元管理と詳細な分析も可能であるなど、多くのメリットがあります。

これを効果的に活用するには、顧客とのやり取りの最適化、適切なメッセージ配信戦略、キャンペーンの実施などがポイントです。導入の際は、現状分析と目標設定から始めてPDCAサイクルの確立まで、手順を踏んで取り組みましょう。

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