プリズマジャーナルTOP【初級者保存版】小売業のブランド種類を徹底解説!NB・PB・SBの特徴と違いとは
【初級者保存版】小売業のブランド種類を徹底解説!NB・PB・SBの特徴と違いとは

【初級者保存版】小売業のブランド種類を徹底解説!NB・PB・SBの特徴と違いとは

「ブランド」と一口に言っても、実は種類がたくさんあります。小売業に携わっている方なら、ナショナルブランド(NB)やプライベートブランド(PB)、ストアブランド(SB)など、いくつかの呼び方を耳にされたことがあるのではないでしょうか。
 本記事では、それぞれのブランドの特徴や違い、さらに「カテゴリーブランド」も含めてわかりやすく解説していきます。小売ビジネスに関わる方はもちろん、今後ブランド戦略に取り組みたい方もぜひ参考にしてください。

1.ナショナルブランド(NB: National Brand)

ナショナルブランド(NB: National Brand) とは、メーカー(製造業者)が自社名や商品ブランド名を付け、全国(またはグローバル)規模で展開するブランドです。テレビCMやSNS広告などを活用し、広く認知度を獲得するのが一般的です。

■ 具体例
・ナイキ
・コカ・コーラ
・P&Gの製品など

■小売業者のメリット
・高い知名度と信頼度を武器に、集客や売上を伸ばす主要な柱となる
・小売店舗にとっては、NB商品を取り扱うことで商品ラインナップの充実が図れ、顧客満足度の向上につながる

■ 留意点
・強力なブランド力があるため、競合店との価格競争が発生しやすい
・小売側であっても、NBブランドの宣伝や販促を支援する必要があるケースもある

2.プライベートブランド(PB: Private Brand)

次に、プライベートブランド(PB: Private Brand)とは、小売業者が自ら商品開発を行い、自社名や専用ブランド名を付けて自社店舗だけで販売する商品群です。中小の地域製造業者との連携やナショナルメーカーとの協業により製造・開発しているケースもあります。
以前は、安かろう悪かろうのイメージもありましたが、近年は品質も向上しており、積極的に選択する顧客も増えてきております。

■ 具体例
・無印良品(元は西友のプライベートブランド)
・トップバリュ(イオングループ)
・情熱価格(ドン・キホーテ)
・CGCジャパンと加盟企業が共同開発するCGC商品

■小売業者のメリット
・広告宣伝費を比較的抑えられるため、低価格でも高品質な商品を提供しやすい
・他社では取り扱いがない独自商品を展開できるので差別化を図りやすい
・粗利益率の設計も自社で可能なため、利益貢献がしやすい

■ 留意点
・認知度向上には、店舗集客の工夫やブランドストーリーの発信が必要
・品質管理の低下はブランド全体のイメージダウンにつながるため、継続的な改善やモニタリングが重要

3.ストアブランド(SB: Store Brand)

ストアブランド(SB: Store Brand)とはチェーンストアが独自に開発したブランドとして扱われるもので、一般的にはナショナルブランドの対抗商品として位置づけられる場合が多いです。
厳密には「ナショナルブランドのない商品カテゴリーで展開するPB」という定義で使われることもありますが、近年では「チェーンストアが自社で開発した商品」 = 「ストアブランド」と広く呼ばれる傾向があります。

■ 具体例
・コンビニのおにぎりのブランドなど

■ 小売業者のメリット
・小売店独自のブランドであるため、差別化が可能
・価格競争に巻き込まれにくい(類似商品との比較が難しいため)
・小売店自ら販売リスクを負う分、マージン率が高くなるケースが多い

■ 留意点
・宣伝を行わないと消費者認知が拡大しにくい
・小売店舗のイメージが直接商品ブランドに反映されるため、店舗イメージの悪化はブランド自体のイメージダウンを招くリスクも

4.カテゴリーブランド(Category Brand)

カテゴリーブランド(Category Brand)とは、特定のカテゴリや用途に特化して展開するブランドです。個別商品の「プロダクトブランド」と企業全体の「コーポレートブランド」の中間の位置づけとして使われる場合が多く、複数の商品を「カテゴリ」というひとつのくくりで統一して訴求します。

■ 具体例
【メーカーの場合】
・シャンプーやトリートメントなどのヘアケアカテゴリーを統一ブランド名でまとめるなど
【小売業(PBの場合)】
・PBの中で「低価格帯の食品シリーズ」「健康志向の商品群」といったカテゴリを独自ネーミングで分け、分かりやすいパッケージで統一(例:花王の「ビオレ」や「ニベア」、ライオンの「植物物語」、トヨタの「カローラ」など)

■ 小売業者のメリット
・ブランド認知がカテゴリベースで定着するため、商品選択がスムーズになる
・一括したマーケティングが可能になり、ブランド資産を蓄積しやすい
・新商品追加時に既存のカテゴリーブランドのイメージやロイヤルティを活用できる

■ 留意点
・企業ブランドや個別ブランドとの使い分けをしっかり整理しないと、消費者が混乱しやすい
・あるカテゴリーブランドの評価が企業全体や他カテゴリーへ波及する(プラスにもマイナスにも)可能性があるため、複数カテゴリを運営する場合は特に注意が必要

5.ブランド認知調査の重要性

ここでは、事例を踏まえて、ブランド認知調査の重要性についてお話したいと思います。

事例:コンビニにおけるカテゴリーブランドって認知されているの?

前職でマーケティング部門を管轄していた際、コンビニ事業におけるカテゴリーブランドの整理・統合に取り組みました。
背景としては、店舗内に複数のカテゴリーブランドが存在しており、統一的な訴求ができていないという課題があったからです。
具体的には、自社のプライベートブランドのロゴや名称に加えて、カテゴリごとにブランド名称やロゴが乱立していました。さらに、カテゴリーブランドに関する明確なルールがないまま、MD(マーチャンダイザー)単位で独自にブランドを立ち上げている状態だったのです。

まず、この現状を客観的に把握するために、目指すべき全体の方向性を踏まえつつ、ブランド名称の認知度をアンケート調査で測定しました。その結果、各カテゴリーブランドの認知度は10%にも満たず、多くの顧客が知っていたのはチェーン名称か、一部の強力な商品名のみであることが分かりました。

この結果を受けて、カテゴリーブランドは基本的に廃止し、チェーン全体で統一したブランド名称とロゴを設計する方針を提案・承認を得た上で展開しました。しかし、客観的データを示しながらも、感情的な面で納得を得るのには多くの時間と労力を要しました。

そもそも、ブランド担当者や開発担当者ほど、自社ブランドが当たり前に認知されていると思い込みがちです。しかし、実際にアンケート調査やデータ分析を行ってみると、顧客側の認知度は予想を下回るケースが少なくありません。

こうした「自社視点」と「顧客視点」のギャップを把握し、埋める努力を重ねることが、ブランド戦略成功の大きなカギだと強く感じています。

6.まとめ:顧客視点が重要

AIが日常生活に浸透するにつれて、顧客の情報収集はますます多様化・高度化しています。そのため、常に「顧客が求める体験は何か」を意識しながら、戦略をアップデートしていくことが欠かせません。今回取り上げたブランドの活用においても、以下の点を重視して取り組むことが重要です。

■ナショナルブランド(NB)、プライベートブランド(PB)、ストアブランド(SB)、カテゴリーブランドといったそれぞれの定義や特徴を正しく理解し、自社の戦略や顧客ニーズに合った形で活用する。

■カテゴリーブランドは商品の用途やターゲット顧客を明確に打ち出しやすい一方で、ブランド体系が複雑になりがちであるため、コンセプトやブランド構造を整理し、消費者にわかりやすく伝える工夫が必要。

■「自社のブランドは誰でも知っている」と思い込みすぎず、定期的に客観的な調査や分析を実施して、認知度や満足度を確認する。そこから得られたデータをもとに、継続的に改善を図る。

顧客体験を常に見直し、時代や消費者の変化を的確に捉えてブランドを育てていくことが、持続的な企業価値の向上につながります。今後も市場の動向や顧客行動を注視しながら、より魅力的なブランド戦略を展開していきましょう。

板東 功太郎

執筆者プロフィール

 

板東 功太郎

コンサルタント

2001年イオングループのミニストップに入社。
営業現場および人事部門担当者およびMgrを経験した後、2015年から人事部長として人事制度・働き方改革、ダイバーシティ推進、採用、人材育成を実施。2019年から中国子会社社長として現地赴任し、DXが進んだ国で、コロナ禍の中で経営実務を担う。
2022年から執行役員商品統括本部長(マーケティング、サービス、物流、品質管理)として、主にデジタルマーケティングを推進。アプリのグロース、EC事業の立ち上げ、デジタルサイネージ導入、販促のDX化等を実施。2024年8月クラスメソッドに参画。

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