プリズマジャーナルTOPベイシアが取り組む、デジタルを活用した小売り集客施策〜11/27開催オンラインセミナーレポート
ベイシアが取り組む、デジタルを活用した小売り集客施策〜11/27開催オンラインセミナーレポート

ベイシアが取り組む、デジタルを活用した小売り集客施策〜11/27開催オンラインセミナーレポート

小売業界の業務支援をさせていただいているプリズマティクスは、2024年11月27日『ベイシア×ユナイテッドアローズに学ぶ!ビジネスの次の一手に繋げるデータ活用』と題したオンラインセミナーを開催しました。本記事では株式会社ベイシア マーケティング本部 本部長 井上博之様(役職は2024.11時点)をお迎えしたセッション内容にフォーカスし、ご紹介致します。

社内で蓄積されたデータを分析して次のビジネスの一手に繋げたい、顧客理解やパーソナライズなコミュニケーション施策の企画のためにデータを活用したいといった悩みをお持ちのご担当者様の、ご参考になれば幸いです。内容について更に知りたい、ご興味がある方へ向けて、動画アーカイブの配信もご用意しております。是非ご覧ください。

共催:プリズマティクス株式会社、クラスメソッド株式会社

1.全く違う小売業「コンビニ」と「スーパー」、最も違うマーケ“代理購入”

カインズやワークマンなどの30社からなるベイシアグループの中核企業であるベイシアは、「より良いものをより安く」を掲げるショッピングセンターチェーンです。ベイシアの店舗は2024年2月末時点で、1都14県下に合計133店舗の出店をしています。

2022年11月よりベイシアでマーケティング本部長を務める井上様は、長らくコンビニエンスストア業界での経験を積んでこられました。店舗スタッフ、店長、スーパーバイザーと昇進し、その後100店舗の責任者から3,000店規模の支社長となります。その後マーケティング本部長に就任し、様々なプライベートブランドを立ち上げ、エンタメコラボ等を牽引し、他のコンビニチェーンでも活躍されました。

スーパーに関わったのはベイシアが初めて、という井上様。コンビニとスーパーは似た業界に思えますが、「中身が全然違う」と語ります。コンビニエンスストアは売り場面積が40坪ほどですが、大型スーパーは最大4,000坪という場合もあり、あまりの違いに驚いたというエピソードも。品揃えも4,000点程度を上限に入れ替えるコンビニと違い、スーパーは10倍ものアイテムを取り扱っています。

「コンビニは、自己消費目的での購買がほとんどで、購入後5分〜1時間以内に消費されます。一方、スーパーの購入目的は、ほぼ、家族等の代理購入です。レジを通された方が使用者の場合も勿論ございますが、ほとんどはご家族や他の方のためとなっています。ここがデータマーケティングをする上で、コンビニと一番違うところだと思っております」(井上様)

2.「バスケットの中のストーリー」分析で、お客様を知る

井上様がジョインする前から、ベイシアではPOSデータ活用し、単品の販売動向から品揃えを検討する等の取り組みは進めていました。これにより「いつ」「どこで」「何が」「どれくらい」売れたかは把握出来るようになりましたが、「誰が消費したのか」「何故売れたのか」というところが分からない、ということが課題だったそうです。

「マーケティングにおいて重要なこれらの点を知ることが出来れば、お客様にもっと寄り添った施策を打つことが出来る。そのような考えからベイシアでは会員化を促進し、ID-POSの拡充とデータ収集の範囲を広げてきました。ただしスーパーでは代理購入という顧客行動がありますので、『バスケットの中のストーリー』の分析を始めました」(井上様)

バスケット、というのは、つまり買い物カゴのこと。代理購入のため個客の消費行動は見えません。しかしデータを分析することで、牛肉をよく購入するユーザー、鶏胸肉をよく購入するユーザーといったように、バスケットごとに一定のパターンがあることがわかってきました。購入履歴からお客様の購入動向や理由の仮説を立て、その上で情報提供していく。その取り組みに、今、力を入れているとのことです。

3.お客様に役立つデジタル施策を、顧客からの声を重要視し現場に反映

またスーパーという業界ならではのトピックとして、紙チラシの必要性、重要性についてのお話がありました。デジタルでのマーケティングが勢いを増す昨今、紙チラシを作成、届けるということは「時代から遅れている」という評価を受けることもあるそうです。しかし地域に根ざした展開を行っているベイシアとしては、現在もチラシを重要なツールの一つとして、より良い情報提供を行うための改善施策に取り組み続けているとのことでした。

「私どもが店舗展開している地方にシニア層のお客様が多いということもありますが、複数社の新聞折り込みチラシを毎日見比べて来店を決めているお客様は、たくさんいらっしゃることが分かっています。アンケート調査では、8割を超えるお客様がチラシを必要とするという結果も出ておりますので、非常に力を入れて取り組んでいます」(井上様)

これまでのアンケート等から、どのスーパーに行くかの決め手となるのは「最初に目に入ったチラシの中で、気になった商品があること」だそうです。商品や品揃えが重要であることは前提として、チラシを見たときにパッと興味を持っていただく工夫に力を入れています。一方でチラシの配布エリア決定については、過去の経験と感覚で行っていたエリア選定を脱却し、既存データから来店エリアを分析するという手法を用いるようになりました。配布後の来店率の変化についても、継続的に検証を行っています。

ベイシア様には、クラスメソッドが提供するデータ分析基盤「CSアナリティクス」をご利用いただいております。このソリューションサービスを導入いただくことで、社内に散在する売上データ、販売履歴データ、顧客情報、Webサイトへのアクセスログなどをひとつにまとめることが可能となっています。

 

セミナー動画内では他にも、1to1マーケティング施策、トライアル顧客へのアプローチやリピート施策など、幅広い課題と取り組みについて、具体的に語っていただいています。本セッションの全編は、クラスメソッドの「オンデマンドセミナー」にて全編を無料アーカイブ動画として配信中です。下記動画閲覧ページよりお申し込み頂き、ご覧ください。

プリズマ編集部

「the engagement commerce platform for wow! experiences」をコンセプトに、小売業における顧客エンゲージメント向上の支援、戦略的OMOを実現するプラットフォーム提供を行うプリズマティクス株式会社が運営する、オウンドメディア『プリズマジャーナル』編集部。

『プリズマジャーナル』では、プリズマティクスで活躍するコンサルタントが執筆するコラム「徒然ジャーナル」、業界の先端を走り続けるプリズマティクスアドバイザーからの寄稿文など、小売業の皆様に向けて伝えたいこと、耳寄りな情報などをお送りします。

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