本記事では、顧客維持(カスタマーリテンション)について説明していきます。
効果および指標、カスタマーロイヤリティとの違いや戦略導入に必要となるポイントなどを詳しく紹介いたします。
顧客維持戦略とその方法について知りたい方、又は、事業会社でCRM(会員・ポイント)基盤の構築やECサイトの構築を検討されている担当者やビジネスオーナーの方に役立つ記事になっています。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
1.カスタマーリテンション(顧客維持)とは 2.カスタマーリテンションの5つの効果 3.カスタマーリテンションの主なKPI 4.カスタマーリテンションの戦略の6つのポイント 5.カスタマーリテンション強化を支援する「fannaly(ファンナリー)」1.カスタマーリテンション(顧客維持)とは
カスタマーリテンションとは、日本語に訳すと顧客維持のことで、商品やサービスの継続利用を既存顧客に促し、更なる関係性構築を期する施策を意味します。新規顧客を獲得するよりも、既存顧客を維持する方が一般的にコストが低く、安定した売上を確保できるため、ビジネスにおいて非常に重要な要素とされています。
近年のサブスクリプションの浸透などからも、これまで以上に顧客維持の重要性が叫ばれていることが分かるでしょう。
下記に、カスタマーロイヤルティとカスタマーサクセスとの違いを紹介します。
カスタマーロイヤルティとの違い
カスタマーリテンションとカスタマーロイヤルティは、いずれも顧客との長期的な関係を築くことを目指していますが、その焦点が異なります。
カスタマーロイヤルティは、顧客が企業やブランドに対して持つ信頼や愛着信を指し、顧客の行動や心理的な忠誠心を育むことに重点が置かれます。リテンションが「顧客が去らないようにする施策」に重点を置くのに対し、ロイヤルティは「顧客が企業やブランドを選び続ける理由を提供すること」に重きを置いているのです。
リテンション活動は必ずしもロイヤルティを伴うとは限りませんが、ロイヤルティを高めることで自然にリテンション率も上がる傾向があります。
カスタマーサクセスとの違い
カスタマーサクセスは、顧客が製品やサービスを利用する過程で目標を達成し、成功体験を得られるよう支援することを目的とした活動です。顧客が求める成果をサポートすることで、満足度を高めるとともに、長期的な関係を築くことが可能になります。
リテンションが顧客が離れてしまうことを防ぐことに焦点を当てていることに対し、カスタマーサクセスは「顧客が望む成功を実現するための支援」に焦点を当てています。
2.カスタマーリテンションの5つの効果
カスタマーリテンションには、主に、以下の5つの効果があります。
既存顧客のLTVを向上させる
カスタマーリテンションは、既存顧客のLTV向上に寄与します。
LTV(顧客生涯価値)とは、顧客が自社の商品やサービスを利用した期間中に、自社にどれだけの利益をもたらしたかを示す指標です。
カスタマーリテンションが機能すれば、リピート購入が増え、ひいては自社のファンの増加にもつながります。
ファンが増えればそれだけLTVも高まりますので、安定した売上が見込めます。
新規顧客を獲得できる
カスタマーリテンションによって顧客自らが広告塔となり、新規顧客を自然と呼び込むことが期待できます。
企業は安定した売上拡大へ向けて、長期的に自社商品が支持される施策を講じる必要があり、そのためにも顧客維持が鍵となります。顧客を広告塔の水準にまで高めていくためにも、企業はカスタマーリテンションを通じてロイヤルティ構築に努めることが大切です。
顧客単価を向上させる
カスタマーリテンションは、既存顧客の維持や継続利用を促す戦略で、顧客単価向上に貢献します。
リテンションが高まることで顧客は自社製品やサービスに対する信頼を深め、再購入や追加購入の可能性が高まります。
特にロイヤルティプログラムやパーソナライズされたオファーの導入は、顧客の満足度を向上させ、購買頻度や一回の取引単価の増加につながります。
潜在的なニーズを把握できる
カスタマーリテンションを通じて、企業は顧客の潜在的なニーズを把握しやすくなり、より的確なサービス提供につながります。
長期的な関係が構築されると、購買履歴や行動データが蓄積され、これをもとに顧客が求める商品やサービスの傾向を分析できます。
例えば、ある顧客が健康関連の商品の投稿やメルマガに高い関心を示している場合、健康志向の商品提案や情報提供が効果的です。
さらに、メルマガやSNSで継続的に情報発信を行うと、顧客の興味や関心事項を把握できる機会が増え、これが商品開発やサービス改善にもつながります。
顧客ロイヤルティが向上する
カスタマーリテンションには、顧客ロイヤルティ(忠誠度)を高める効果があります。
リテンションを強化することで、顧客との関係を維持しやすくなり、ロイヤルティプログラムを活用して自社に対する愛着を育むことができます。たとえば、購入ごとにポイントがたまるプログラムや、購入金額に応じたランク制度を導入すると、顧客は「もっと自社で買い物をして特典を受けたい」と感じるようになります。
これにより、単発の購入ではなく、長期的に自社を選んでもらえる顧客が増え、売上の安定にもつながります。
3.カスタマーリテンションの主なKPI
カスタマーリテンションの取り組みを評価するために、主に用いられるKPI(指標)には、顧客維持率と解約率があります。
顧客維持率
顧客維持率とは、一定期間内における自社商品およびサービスを継続利用する顧客の割合を示す指標で、顧客のブランドへの信頼性や愛着を評価する上で役立ちます。
これは新規顧客獲得よりもコスト効率が高く、長期的に収益を安定させるために重要なKPIとされています。
顧客維持率の計算方法は、「(期間終了時の顧客数 − 期間中の新規顧客数)÷ 期間開始時の顧客数 × 100」です。
顧客維持率が高い企業は、総じて顧客と良好な関係性を構築できており、将来的にも安定した売上が期待できるでしょう。
逆に、顧客維持率が低い企業は、ユーザー満足度が低く競合他社へシフトしていることが考えられますので、ビジネスモデル再構築の検討が必要です。
●顧客維持率を高める方法
顧客維持率を高める方法は、何より顧客にポジティブな体験を提供することです。
そのためにも、顧客からの問い合わせに円滑に対応する、顧客ニーズを的確に捉え競合他社よりも魅力のある商品、サービスを提供し続けるなど、顧客から継続利用されるための仕組みが必要です。
その上で、顧客に忘れられない工夫も大切です。
知らぬ間に競合他社にシフトされないためにも、DMなど定期的なコミュニケーションの実施は効果的です。
解約率
解約率は、特定の期間内に契約を終了した顧客の割合を示す指標で、カスタマーリテンションにおいて重要なKPIです。
解約率が低い企業は、顧客維持率が高いケース同様、顧客と良質な信頼関係が構築されていると考えられるため、ロイヤルティ構築へ向けた施策を実行しやすい状況にあります。
反対にこの指標が高いと、顧客が他社に流出していることを意味し、ビジネスの持続性や収益に影響を及ぼす可能性があります。
解約率は、「(期間開始時の顧客数 − 期間終了時の顧客数)÷ 期間開始時の顧客数 × 100」で計算できます。
この指標を低く抑えることで、顧客との関係を長期的に維持し、安定した収益が見込めます。
●解約率を下げる方法
解約率を下げるには、顧客の満足度を高めることが重要です。
具体的には、定期的なアンケート調査による顧客の声の収集、サポート体制の強化、ユーザビリティの向上、オンボーディングプロセスの改善などが効果的です。
また、解約理由の分析や、解約防止のための具体的な施策を立案し、継続的に改善を行うことも重要です。
これらの取り組みにより、顧客ロイヤルティの向上と解約率の低減につなげることができます。
4.カスタマーリテンションの戦略の6つのポイント
カスタマーリテンションの戦略には、以下の6つのポイントがあります。
サービスやサポートの質を高める
カスタマーリテンションの戦略として、サービスやサポートの質を高めることが求められます。
顧客からの質問や要望に迅速かつ丁寧に対応できる体制を整備していれば、顧客満足度は高まり、顧客は継続利用に躊躇することが少なくなります。
またアフターフォローの充実も大切です。商品、サービスを販売して終わりにするのではなく、購入後も引き続き顧客に寄り添う姿勢を示し顧客に受容されれば、リピート率向上、解約率低下につながります。
メルマガやSNSで配信をする
メルマガやSNSの配信は、顧客を引き留めるために効果的な方法です。
購入後も継続的に情報を発信することで、顧客との関係を維持しやすくなります。
特に、SNSやインターネットが普及した現在、こうした手段を活用することで、顧客と双方向のコミュニケーションを図ることが可能です。たとえ顧客からの反応がなくても、ブランドやサービスを思い出すきっかけを提供することができ、定期的な接点を持つことが顧客維持には重要です。
サービスや商品の品質を改善する
カスタマーリテンションの戦略として、サービスや商品の品質を改善することが重要です。
そのためには、顧客の声をしっかりと聞き、不満や不安を迅速に解消する体制を整えることが求められます。
クレームは、企業に対する期待の表れでもあるため、適切に対応することで顧客との信頼関係を築き、ロイヤルティの向上にもつながります。顧客の声に真摯に向き合い、改善を続ける姿勢が、顧客の維持には不可欠です。
特別な顧客体験を提供する
カスタマーリテンション戦略として、特別な顧客体験を提供することも効果的です。
顧客に特別扱いされていると感じてもらうことで、長期の関係を構築できる可能性が高まります。
例えば、リピーターやロイヤルカスタマー限定のイベントに招待したり、一般販売に先駆けて新商品を案内するなど、「自分が特別だ」と思わせる施策が挙げられます。
こうした体験を通じて、顧客に自社の顧客でいるメリットを実感してもらうことで、長期的な関係が期待できます。
顧客からのフィードバックを収集する
カスタマーリテンション戦略として、顧客からのフィードバックを収集することは重要です。
商品やサービスを提供した後も、顧客とパートナーシップを意識し、積極的に意見を聞き、双方向の関係を築くことが顧客維持に役立ちます。顧客の懸念や要望に耳を傾け、迅速に対応することで、企業が顧客の声を大切にしていることが伝わり、信頼関係が深まります。
こうして顧客にとって安心できる存在であると感じてもらうことで、長期的な関係が期待できます。
顧客ロイヤルティを高める施策を実施する
カスタマーリテンション戦略として、顧客ロイヤルティを高める施策を実施することが効果的です。
まず、顧客データを活用して顧客をランク分けし、それぞれに最適なプロモーションを提供することで、離脱を防ぐことができます。
また、顧客対応の質を高めることも重要です。現在は電話やメール、SNSなど多様なツールでの対応が求められるため、どのチャネルでも迅速かつ丁寧に対応できる体制を整えておくことが、顧客の信頼を獲得しロイヤルティ向上につながります。
5.カスタマーリテンション強化を支援する「fannaly(ファンナリー)」
このように、カスタマーリテンションを強化して長期的な関係が構築されると、企業は顧客の潜在的なニーズを把握しやすくなり、より的確なサービス提供が可能となります。
ロイヤルティプログラムやパーソナライズされたマーケティング施策の提供は、顧客の満足度を向上させ自社に対する愛着を育み、長期的には企業の全体的な売上拡大・安定につながるなど、さまざまなメリットにつながるのです。
プリズマティクスが提供する「fannaly(ファンナリー)」は、カスタマーリテンションを強化し顧客とのエンゲージメントを高め、ロイヤルティ向上を支援するための会員・クーポン・ポイント管理システムです。
POS、EC、データ分析基盤など既存システムとの連携を考慮した設計となっており、ブランド・チャネルごとにバラバラに管理されている会員情報の一元化が可能です。
APIを活用した複数チャネルとの統合が可能なSaaS/PaaSで、LINEミニアプリも標準搭載しているため、すぐに導入できます。
LINEミニアプリの利用で、約9,500万人のユーザーにリーチできるため、手軽に顧客との接点を増やし、エンゲージメントを高めることが可能です。
fannaly(ファンナリー)は、以下のような課題を持つ企業に特におすすめです。
・ライト層へのアプローチで顧客頻度を高めたい
・従来の「1円=1ポイント」方式では、ファンが増えないと感じている
・店舗やECなど複数チャネルでの会員情報を一元管理したい
さらに、MAU数に応じた料金体系を採用し、利用状況に応じたコストで利用可能です。
また、スマホアプリのダウンロードが不要であるため、利用者にとっても手間がかかりません。
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