[無印良品の家と学ぶ]HubSpotを活用した顧客理解・関係構築の進め方とは? 〜9/13開催オンラインセミナーレポート
プリズマティクスは2024年9月13日、「無印良品の家」を提供する株式会社MUJI HOUSEマーケティング部 部長の松枝様、また同マーケティング部でWEBフロント、SNS広告運用を担当する藤本様を特別ゲストとしてお迎えし、小売接点をお持ちの企業様向けに「【無印良品の家と学ぶ】HubSpotを活用した顧客理解・関係構築の進め方とは?」をテーマにウェビナーを開催しました。
MUJI HOUSEは、顧客の心を捉え顧客ニーズを把握し、その理解を基にどのような顧客体験を提供しているのでしょうか。本記事では、MUJI HOUSEがこれまで行ってきたCRMを活用した顧客とのコミュニケーション方法や関係構築のリアルな現場の取り組みについてご紹介致します。また本セミナーの内容について更にご興味がある方へ向け、動画アーカイブの配信もご用意しております。是非ご覧ください。
共催:プリズマティクス株式会社、クラスメソッド株式会社
目次
1.「家」を“暮らしの器”と考えるハウスメーカー 2.「雑貨屋さんが家をつくっている」イメージを“強み”にした、プル型セールス 3.デジタルツールを繋げ、ユーザーの興味関心に合わせた情報発信を実現 4.MUJI HOUSEオーナーとのコミュニケーションを充実させていきたい1.「家」を“暮らしの器”と考えるハウスメーカー
「無印良品の家」は、雑貨から家具までの多様な生活用品を扱う無印良品が手がけています。家を「暮らしの器」として捉えてつくられる「無印良品の家」は、生活用品と同様、使い心地が良いこと、無駄を省き機能を持つこと、また長く使うことを前提として耐久性を重視する等、“無印良品らしさ”を感じることのできるものです。
2004年から販売を開始し、現在は新築戸建事業の他、リノベーション事業や法人事業も行っています。本セミナーでは、MUJI HOUSEの行う事業のうち、エンドユーザー向けの事業にフォーカスを絞り、マーケティングにおける取り組みと課題、またオーナーとのコミュニケーション等について詳しくお話しを伺いました。
MUJI HOUSEのコンセプトは「永く使える、変えられる」。無印良品がこれまで実践してきた、素材の選択、工程の点検、包装の簡略化の3つの方針を、“家”というラインナップにおいても同様に原則として展開しています。「わけあって、安い」「自信に満ちた“これでいい”」といった方針を実現することを目標としていることがマーケティング部 部長の松枝氏から語られ、本セッションのモデレーターを務めるプリズマティクスCEO濱野からは「良品計画のプロジェクトに関わるとよくこの言葉は出てきますが、“家”でも、そうなんですね」とコメントがありました。
「体にフィットするソファ、持ち運びできるあかり等に代表されるように、無印良品はお客様の意見を尊重した商品開発を行うことをしてきました。お客様の意見を取り入れていくうちに、お客様から『家がほしい』という声が出始めた。これが、無印良品が『家』を始めたきっかけです。基本性能としては、1.耐久性、耐震性、2.快適性、3.普遍性を重要視しており、約3000棟の木造住宅をSE構法で建ててきました。近年の地震災害エリアに建てた家もありますが、一軒も倒壊しておりません」(松枝氏)
2.「雑貨屋さんが家をつくっている」イメージを“強み”にした、プル型セールス
「一般的なPUSH型の営業、つまり『家買いませんか』『絶対イベントにきてくれ!』といったインサイドセールスはしていません。無印良品のユーザーに対して、暮らしのことをインプットしたり、コンバージョンポイントとしてイベント実施するといった営業をしています。『雑貨屋さんが家をつくっている』という皆さんのイメージを、むしろ“強み”として、ハウスメーカーとは違うポジションでマーケティングを行っています」(松枝氏)
MUJI HOUSEでは、戸建て事業のユーザーを6段階に分けて考えています。無印良品が家をつくっていることを全く知らない層に対する認知をゼロとして、興味関心を持って問い合わせや資料請求等を行った層を第1段階の見込み客、相談会や見学会に足を運んだ層を第2段階、より具体的な施工提案まで進んだ層を第3段階、実際に契約に至った顧客は第4段階となります。最後の第5段階はオーナーとなっており、施工引き渡し後にもオーナーと継続的なエンゲージメントを高めていくことも重要な施策と位置づけられています。
「見込み客である第1段階から契約の第4段階までの期間は、中央値で5ヶ月となっています。ただこれはあくまで中央値で、1ヶ月で決められる方もいるし、検討中にライフステージが変わって、5年程かかって決める方もいらっしゃる。第2段階以降は施主のライフタイミングによるところが大きいので、我々としては第1段階の方々の数をいかに増やすかが重要と考えています」(松枝氏)
ここまでの説明を聞いたモデレーターの濱野が「一見すごく、ユーザーとコミュニケーション出来てるように見えます」とコメントすると、松枝氏は「出来てるように見えて、実は出来ていなかった、今も出来てない部分が多いんです」と言います。ゼロ段階ではSNSやWebサイト動線があり、また第1段階ではLINEやメール会員、資料請求等にてパーミッションも取れるため、それぞれ部分的に管理ツールはあり数も把握出来ていました。しかし結局どのユーザーがどのような動線で実際に契約に結びついたか、分からないことが課題となっていたそうです。
3.デジタルツールを繋げ、ユーザーの興味関心に合わせた情報発信を実現
「実際に契約に繋がった方の動線が分からなかった」と課題感を語る松枝氏、実際に契約に至った顧客にお願いして、一度詳細なヒアリングを行ったことがあるそうです。モデルハウスに行ったときのこと、Webでどのようなことを調べたのか、どのような行動をどの時期にしていたのか、モチベーション等の推移等、判明した情報を時系列でマッピングした資料をご紹介いただきました。
「Google検索から契約まで5ヶ月位のオーナーさんの情報です。検索キーワードをスゴク知りたいと思うんですが、5ヶ月前とかだとほぼ覚えてらっしゃらないのが残念なところですね。弊社側からは、見込み客のモチベーションアップの時期が分からないことも課題です。このオーナーさんの場合は、『陽の家』のWEBページを何度も見ていた時期があって、それでモチベーションが上がっていき、その後すぐ店舗にて相談会予約をしています。またGoogleマップにイベント登録していたところ、そこから予約してくれています。いろんなポイントを置いておくことが重要なことが分かりました」(松枝氏)
マーケティング施策の検証と改善と最適化を実現すること、またユーザーの興味・関心に合わせた情報発信を行うこと、そして営業とのコミュニケーション活性化などを目的として、ユーザー行動の見える化をするために、MUJI HOUSEはHubSpotを導入することにしました。
「SNSの投稿、広告、サイトアクセスをHubSpotに蓄積し、顧客管理システムと繋ぎこみをして、初期アクセスから契約までのお客様の動きを可視化できるようにしました。ユーザーの興味関心に合わせた情報発信や、返信を行うことに活用しています。マーケティング部でツール選定し導入した後、ワークフロー等は実際に販売現場の各チームで動かすことが出来ているので、運用の手が離れているところも、とても助かっています」(藤本氏)
オーガナイザーの濱野は「可視化ツールを導入することでコミュニケーションの分断が繋がり、営業の人もマーケティング施策の恩恵にあずかれるようになりますね。お客様への提案も『こういうページを見ていた』『見学会に来ていた』というようなことが分かった上で提案した方が、心地よい提案になりますよね」とコメント。実際に、戸建て事業に導入し一定の成果が出たため、リノベーション事業の販売物件を軸とした管理にも導入を開始し、今後法人事業にも利用対象を広げる予定とのことです。
4.MUJI HOUSEオーナーとのコミュニケーションを充実させていきたい
今後の展望として、MUJI HOUSEは既存オーナーとコミュニケーションを活性化し、エンゲージメントを高めたいと考えているとのこと。双方向コミュニケーションツールを活用し、オーナーからの問い合わせ、定期点検の通知、家具コーディネート依頼等のメンテナンス対応等を行うだけでなく、オーナーの「知りたい」「聞きたい」に応え、オーナーが参加したいと思うコンテンツをつくっていきたいと語ります。本プロジェクトでは、プリズマティクスが提供している会員・クーポン・ポイント管理システム「fannaly」を採用いただきました。
「MUJI HOUSEのオーナーズクラブみたいなものをつくりたい、でも既存システムになるべく影響が出ないかたちで、というご相談をいただき、弊社の開発する『fannaly』をご提案しました。SaaSなので利用に応じた利用料メニューとなっており、スタート時点でどのくらいのオーナーさんにご参加していただけるか分からないプロジェクトに適しています。またスピーディな導入やオーナーが参加し易い環境にしたいというご希望には、LINEミニアプリをUIとしたシステムを提案させていただきました」(プリズマティクスCEO濱野)
本セミナーの様子は、プリズマティクスの「動画閲覧」にて全編を無料アーカイブ動画として配信中です。MUJI HOUSEの取り組みにまつわる具体的なエピソードや、詳しいシステム構成図についても語られています。
下記動画閲覧ページよりお申し込み頂き、ご覧ください。
プリズマティクスのサービス
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