「会員プログラムとはどのような施策?」「会員プログラムを成功させるためには?」と疑問をお持ちの方がいるかもしれません。
会員プログラムとは、ユーザー登録した顧客に対してインセンティブを提供する仕組みのことです。会員プログラムを実施することで、顧客情報の収集や顧客のリピート率アップなど、さまざまなメリットを得られます。
本記事では、会員プログラムの基礎知識から設計方法、成功事例について解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
1.会員プログラム(ロイヤルティプログラム)とは
会員プログラムとは、ECサイトやWebアプリ、実店舗などで顧客にユーザー登録してもらい、インセンティブを提供する施策のことです。イベントや割引クーポン、ポイント付与、特別セールなど、インセンティブの内容は多岐に渡ります。
会員プログラムやロイヤルティプログラムを実施することで、顧客維持率向上やブランドロイヤルティ構築などのメリットを得られます。そのため、Yahoo!ショッピングやスターバックスなどの大手企業も会員プログラムを実施しています。
ロイヤルティプログラム
会員プログラムと似ている施策に「ロイヤルティプログラム」というものがあります。ロイヤルティプログラムとは、ロイヤルティの高い顧客(継続的に商品・サービスを利用しているユーザーなど)に対して、より魅力的なインセンティブを提供することです。ロイヤルティプログラムを実施することで、ブランドに愛着を持ってもらえるだけでなく、リピート率やLTVが向上する可能性があります。
ロイヤルティプログラムの費用対効果については、以下の記事を参考にしてください。
2.会員プログラムが重要視される背景
会員プログラムには多くのメリットがあり、さまざまな業界で取り入れられています。
以下で、会員プログラムのメリットを確認しましょう。
顧客情報を収集できる
会員プログラムを実施することで、顧客情報を効率的に収集することが可能です。近年は個人情報の取り扱いルールが厳格化しており、Cookie情報取得および活用は制限されています。そこでユーザーに会員登録してもらうことで、企業は顧客情報を有効活用できるのです。
顧客のリピート率が上がる
顧客のリピート率が上がる点も、会員プログラムを実施するメリットのひとつです。会員限定のプログラムを提供すれば、ユーザーは「わざわざ他のサービスを利用するよりも、以前利用したサイトで特典を利用した方がお得」「ポイントを貯めたい」という考えを持つようになります。
既存顧客を維持するよりも、新規顧客を獲得する方がコストがかかると言われています。そのため、リピート率の向上は安定した売上を獲得するために重要なのです。顧客のリピート率を課題視している企業は、会員プログラムを取り入れてみましょう。
口コミで情報を広げることができる
会員プログラムにより会員のロイヤルティが高まれば、口コミを広めてもらえる可能性があります。人は自分が良いと感じた物を他の人に共有したいという心理が働くためです。特にX(旧Twitter)やInstagramなどのプラットフォームは拡散性が高く、口コミが広まりやすいと言われています。
口コミは、コストをかけずに情報を拡散することが可能です。また、企業ではなく消費者目線で情報を発信してもらえるため、信頼を得やすい点も特徴に挙げられます。このように、口コミによって得られる効果はさまざまです。そのため、中には「SNSで商品について投稿したユーザーにプレゼント」といったように、口コミ自体を条件にした会員プログラムを実施する企業も見られます。
3.会員プログラムの種類
会員プログラムの種類には、下記が挙げられます。会員プログラムの種類とそれぞれのメリット・デメリットについて、詳しく紹介していきます。
・ポイントプログラム
・会員プログラム
・有料プログラム
・無料特典プログラム
・コミュニティプログラム
・キャッシュバックプログラム
ポイントプログラム
ポイントプログラムは、会員プログラムの中でもよく用いられる手法です。商品・サービスを利用したユーザーに対して、金額に応じたポイントを付与します。ユーザーは貯めたポイントを次の支払いに充てたり、景品と交換できたりする仕組みです。
ポイントプログラムはすでに多くの企業によって採用されているため、多くのユーザーにとって馴染みがあり、導入しやすい点がメリットと言えるでしょう。ただ、ポイントを還元することによりコストが発生するだけでなく、店頭販売時に会員登録を勧めるというオペレーションを追加する必要があります。
ポイントプログラムについては、以下の記事で詳しく解説しています。
会員ランクプログラム
会員ランクプログラムとは、購入額や利用頻度、ポイント獲得数に応じてランクをレベルアップする制度です。例えば、ゴールドやプラチナ、ダイヤモンドなどのレベルに分けます。顧客はランクが上がっていく過程で「今よりもランクを上げたい」という心理を抱くようになります。結果的に商品・サービスの利用を促進できるため、売上拡大を目指せるのです。
ただし、運用コストが増大するだけでなく、ランクダウンによって顧客の意欲を低下させてしまう可能性があります。
有料プログラム
有料プログラムとは、顧客が特典を獲得するために料金を支払う仕組みのことです。例えば「月額1,000円を支払うことで毎購入時に◯%の割引が適用される」などの特典は、有料プログラムの一種です。
有料会員限定のプログラムを充実させることで、顧客ロイヤルティを高められますが、企業はプログラムを通じて会費以上の価値を提供し続ける必要があります。
無料特典プログラム
無料特典プログラムとは、一定の基準をクリアした顧客に対して無償で商品・サービスを提供する仕組みのことです。例えば、月に◯円以上の商品購入したユーザーに対して、無料サンプルを配布するなどのプログラムが該当します。
無料特典により顧客満足度は向上させることができますが、運用コストがかかります。
コミュニティプログラム
コミュニティプログラムは、コミュニティマーケティングの一種です。例えば、会員限定のオンラインクラブやグループを構築するなどの施策が該当します。顧客は他のユーザーに質問したり、製品のレビューを投稿したりします。ユーザー同士の交流からリアルな意見を聞けるだけでなく、疑問点を顧客同士で解消してもらえるため顧客対応コストを削減することが可能です。
しかし、コミュニティ構築に時間がかかるため、効果を得るまでに期間を要します。
キャッシュバックプログラム
キャッシュバックプログラムとは、顧客の支出額の一部をキャッシュバックする制度のことです。金融業界でよく取り入れられるプログラムと言えます。キャッシュバックプログラムでは、顧客にお得感を提供できるだけでなく、商品価格を維持できるため「安売り」イメージを避けることが可能です。
ただし、キャッシュバックにより運用コストが増大します。
4.効果的な会員プログラムの設計方法
それでは、自社商品やサービスに合った会員プログラムを実施するにはどうすればいいのでしょうか?
ターゲット顧客の明確化
まずはターゲット顧客を明確化することが重要です。ターゲットが不明確だとユーザーに喜ばれるプログラムを考案できません。どのような顧客が商品・サービスを利用しており、どのような特典が喜ばれるかを調査しましょう。購入頻度や購入金額などのデータから優良顧客を割り出して、グループ化してみましょう。そのグループに喜ばれそうな施策を考え、顧客にヒアリングしてみるのも良いでしょう。
魅力的な特典の設定
続いて、どのようなプログラムを実施するかを詳しく決めていきましょう。上記で紹介したようにポイントプログラムや会員ランクプログラム、優良プログラムなど、さまざまな種類があり、商品・サービスやブランドによって最適な施策は異なります。顧客のニーズと自社ブランドのイメージなどを総合的に踏まえて、案をいくつか出していきましょう。有名企業の事例を参考にするのも良いでしょう。
関連記事:スターバックス・ユナイテッドアローズ・SHIPSなど有名企業が見直した今 御社のポイントプログラム、見つめなおしてみませんか?
参加しやすい仕組みづくり
会員プログラムを展開しても、顧客に認知・利用されなかったら意味がありません。会員プログラムの存在を知ってもらうために、オウンドメディア等でプログラム内容について解説したり、SNSでプログラムページを公開したりする必要があります。さらに、ユーザーの参加障壁を下げるためにも、プロセスを簡素化することが大切です。例えば、多くの入力項目があるフォームはユーザーにストレスを与えてしまいます。
6.まとめ
今回の記事では、会員プログラムに興味がある企業の担当者に向けて、会員プログラムのメリットや種類、成功事例について解説しました。会員プログラムを導入することで、顧客ロイヤルティやリピート率などの向上を目指せます。ただ、効果的な会員プログラムを実施するためには、専門知識やノウハウが必要です。
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