LINEミニアプリは、LINEプラットフォームを活用して、デジタル会員証、モバイルオーダー、順番待ちなどの機能を利用でき、店舗と顧客の双方にメリットをもたらすものです。
この記事では、LINEミニアプリのメリットや使い方、導入方法について分かりやすく解説します。「LINEミニアプリについて知りたい」「効率的な顧客管理や販売促進を実現したい」という人に役立つ記事となっているため、ぜひ最後までご覧ください。
1.LINEミニアプリとは
LINEミニアプリとは、LINEプラットフォーム上でさまざまなサービスを提供できるWebアプリケーションのことです。構築すると、店舗側は顧客とのコミュニケーションを深めたり、業務効率を上げたりすることを実現できます。また、ユーザーがLINEを利用している限り新規で登録してもらう必要がなく、新たなアプリをダウンロードしなくてもアクセスできる手軽さも特徴です。
LINEミニアプリの機能
LINEミニアプリの主な機能は、以下の3つです。
・デジタル会員
・モバイルオーダー
・順番待ち
デジタル会員
デジタル会員は、物理的なカードを持ち歩く代わりに、LINEアプリ上で会員証を管理して利用するシステムです。ユーザーはQRコードをスキャンするだけで会員証を取得し、店舗側はポイントの付与やクーポンの配布を簡単に行えます。
モバイルオーダー
モバイルオーダーシステムは、ユーザーが店内でQRコードをスキャンすることで、LINE上から直接注文を行えるシステムです。また、店外注文やテイクアウトの予約も可能で、事前の注文と決済をLINE上で完結できます。
順番待ち
順番待ち機能は、店舗の混雑状況をLINE上でリアルタイムに確認できるサービスです。ユーザーが利用すると、QRコードをスキャンすることで順番を確保し、LINEでの通知を受け取ることができます。
2.LINEミニアプリを導入するメリット
ここからは、LINEミニアプリを導入するメリットを、企業側、顧客側という2つの観点から紹介します。
企業側のメリット
まず、企業側のメリットは以下の4つが挙げられます。
・低コストで開発できる
・ユーザーデータを得られる
・登録者が多いため集客しやすい
・ブロックを気にしないで運用できる
低コストで開発できる
LINEミニアプリは、300〜500万円程度で開発が可能で、複雑な開発が必要な場合でも500〜1500万円と、ネイティブアプリと比較しても低コストで導入できるのが魅力です。特にパッケージサービスを利用すれば、さらにコストを抑えることもでき、小規模な店舗でも自社アプリを持つことが可能です。
ユーザーデータを得られる
LINEミニアプリを導入することで、LINEに登録しているユーザーデータを活用できます。そのため、顧客の属性情報や行動データを分析し、パーソナライズされたマーケティング活動を展開できます。
登録者が多いため集客しやすい
LINEミニアプリは、新規アプリのダウンロードが不要となり、利用者数を増やしやすいという大きなメリットがあります。実際、月間ユーザー数は9,500万人(2023年6月末時点)を誇り、男性46.7%・女性53.3%と大きな差もなくリードを獲得しやすいです。
さらに、LINEのユーザー層は幅広く、10代から60代以上までと多様なため、さまざまなターゲットにリーチすることができ、集客効果も期待できます。
ブロックを気にしないで運用できる
LINEミニアプリでは「LINEミニアプリのお知らせ」という形で全ユーザーに対して情報を届けることが可能です。たとえユーザーが公式アカウントをブロックしていたとしても通知を届けることができ、顧客とのコミュニケーションを継続できます。友だちを外したユーザーにもアプローチできるのは、LINEミニアプリだからこその利点です。
ユーザーのメリット
次に、ユーザーのメリットは以下の3つです。
・安心して使える
・LINEですぐに登録できる
・スマホの容量や通信量を抑えることができる
安心して使える
LINEは日本国内で広く普及しており、多くのユーザーが日常的に利用しているコミュニケーションツールです。この既になじみ深いプラットフォーム上でミニアプリを使用することにより、新たなアプリケーションに対する不安や抵抗感を大きく軽減できます。また、複数の店舗やサービスのアプリを利用する際にも、それぞれのアプリを切り替える必要もありません。
LINEですぐに登録できる
LINEミニアプリは、LINEアカウントさえあれば追加のダウンロードやログインも不要です。新たなサービスを試す際の敷居が大きく下がり、新しいオンラインストアや飲食店の予約システムなど、さまざまなサービスをLINE上で直接始めることができるのです。
スマホの容量や通信料を抑えることができる
LINEミニアプリであれば、アプリをダウンロードすることなくサービスを利用できるため、デバイスの容量を節約できます。動画視聴など他のデータ消費が大きい活動と比べると微々たるものであり、日常的にLINEを利用しているユーザーにとっては、データプランに与える影響はほとんどありません。
3.LINEミニアプリを導入するデメリット
LINEミニアプリには多くのメリットが存在しますが、以下のデメリットも存在します。
・差別化が難しい
・LINEユーザー以外にアプローチできない
・個別に開発をすると審査が必要
差別化が難しい
LINEミニアプリはLINEプラットフォーム上で稼働するため、機能上の制約が多く、他のアプリとの差別化が難しいです。特にパッケージ版を利用する場合、コストを抑えることはできますが、その分、独自性を出しにくくなります。ただ、プラットフォームの利用で短期間に導入でき、パッケージの中でも工夫を凝らすことでオリジナリティの追求は可能です。
LINEユーザー以外にアプローチできない
LINEミニアプリがLINE内で完結してしまうため、利用していないユーザーや海外ユーザーにはリーチしにくい点もデメリットです。しかし、日本国内においては2023年時点で83.7%(※)とLINEの普及率が高く、多くのユーザーにリーチできると考えられます。
個別に開発をすると審査が必要
LINEミニアプリを開発する際、スクラッチ開発で個別にアプリを開発すると、LINEのガイドラインに従う必要があることから一定の制約を伴います。もちろん、審査をクリアできなければリリースできないため、サービスの展開に時間がかかってしまいます。他のパッケージにはない独自の機能やデザインを実現し、競合との圧倒的な差別化を図る際には検討しても良いでしょう。
以上のメリットとデメリットを踏まえ、LINEミニアプリの導入を検討してみましょう。
4.LINEミニアプリの導入事例
LINEミニアプリの導入事例を、飲食店、小売店、サロンの3つに分けて紹介します。
飲食店におけるLINEミニアプリの導入事例は、以下のとおりです。
ブランド/店舗名 | 導入機能 | 導入効果 |
---|---|---|
スシロー | 来店予約 | 利用者数1.4倍増、行列減少、顧客ストレス軽減 |
ティースイーツラボ コンテナート南新宿店 | 順番待ち | 混雑解消、スタッフの業務削減、利用率98% |
魚食笑 ちょうど蒲田店 | テーブルオーダー | 注文の95%がアプリから、オペレーションの効率化 |
大江ノ郷自然牧場 | 順番待ち、呼び出し | 利便性向上、来場者数増加、売上増 |
サントリービール | キャンペーン | 新規顧客の獲得、リピート率向上、顧客とのコミュニケーション強化 |
小売店におけるLINEミニアプリの導入事例では、以下が挙げられます。
ブランド名 | 導入機能 | 導入効果 |
---|---|---|
PAL CLOSET | 会員証、オンラインショッピング | 新規会員数2倍、売上5倍増、友だち数10万人増 |
阪急オアシス | 会員証、チラシ閲覧 | 65%が50歳以上の利用者、友だち数3.6万人増、購入率10%増 |
DEAN & DELUCA | 順番待ち | 混雑解消、友だち登録者数1万人増 |
ダイソー | デジタルシール | 利便性向上、印刷物削減 |
東急 | モバイルオーダー | コスト削減、感染症対策 |
最後に、サロンでのLINEミニアプリの導入事例は、以下のとおりです。
ブランド名 | 導入機能 | 導入効果 |
---|---|---|
1001mille | 予約、ポイントカード | アプリ予約数が予約サイト経由の予約数超過、顧客満足度向上、リピート率向上 |
eim | 予約、会員証、ポイントカード | 来店客70%以上登録、顧客情報連携で効率的な案内、LTV向上 |
カネボウ化粧品 | 会員証、個別機能 | メッセージ開封率70%、顧客とのオンラインコミュニケーション強化 |
efface | 予約、会員証、ポイントカード | 4ヵ月で30%以上の顧客がLINEミニアプリに移行、リピート率90%超、予約管理の効率化 |
5.LINEミニアプリの導入方法
LINEミニアプリの導入方法について解説します。
LINEミニアプリの導入方法では、以下の2つが代表的です。
・パッケージを利用する
・個別に開発を行う
パッケージを利用する
まず、開発会社が提供するLINEミニアプリのパッケージを利用し、基本的な機能に加えて、簡単なカスタマイズを行うことで、すぐにアプリを導入する方法です。
ゼロからの開発に比べて、導入までの時間とコストを大幅に削減できます。特に、小規模から中規模のビジネスで、特別高度なカスタマイズを必要としない場合には最適な選択肢と言えるでしょう。
個別に開発を行う
次に、個別開発は、自社のニーズや課題に合わせてパッケージでは実現できないニッチな機能や、自由な仕様を実装できる方法です。
大規模なビジネスや、独自のビジネスモデルを持つ企業にとっては、この方法が適していると言えます。LIFF(LINE Front-end Framework)を活用したWebアプリケーションの開発が必要となるほか、開発後の保守やアップデートも自社で行う必要がある点にも留意しましょう。
LINEミニアプリで始められる会員・ポイント管理サービス fannalyの紹介
「fannaly(ファンナリー)」は、LINEミニアプリ上で展開する会員・ポイント管理サービスです。
既存のポイントプログラムからの移行もスムーズであり、新たなマーケティング施策を容易に導入できます。また、POSシステムやECプラットフォーム、データ分析基盤など、既存のシステムとの連携も考慮された設計を採用しており、バラバラに管理されていた会員情報の一元化まで実現可能です。
5.まとめ
LINEミニアプリは、LINEプラットフォーム上で動作するWebアプリケーションで、ユーザーが簡単にアクセスできるため、多くの店舗で利用されています。新規登録やダウンロードは不要で、デジタル会員証、モバイルオーダー、順番待ちシステムなどの機能を利用できます。
fannaly(ファンナリー)は、お客様のエンゲージメントを高め、ファンへと育てることを目指した会員・ポイント管理(CRM)サービスです。LINEミニアプリを標準搭載しており、手軽に始めることができます。
fannaly(ファンナリー)は、以下のような課題を抱えている人におすすめです。
・コストをかけずに会員・ポイントアプリを導入したい
・自社に合わせた会員・ポイントプログラムをカスタマイズなしで実現したい
・店舗・ECなど、複数チャネルを統合したい
自由度の高いポイントプログラム設定を行うことで、お客様を自社のファンに育てることができます。
興味のある人は、ぜひ詳細を以下よりご覧ください。
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