昨今の急速なデジタル化の流れを受け、多くのサービス事業者がポイント制度の導入を進めています。
2022年度の国内におけるポイントサービスの市場規模は約2.5兆円と推計されるなど、その市場価値は年々高まっています。
本記事では、そんなポイント制度の仕組みや導入効果、成功事例について分かりやすく解説します。
目次
1.ポイント制度とは? 2.ポイント制度の種類 3.ポイント制度の仕組みは? 4.ポイント制度を導入するメリット 5.ポイント制度を導入する際の注意点は? 6.ポイント制度を導入した成功事例 7.複数チャネルを統合可能なポイント管理サービス「fannaly(ファンナリー)」1.ポイント制度とは?
ポイント制度とは、購入金額や購入頻度などのサービス利用状況に応じてポイントを顧客に付与するサービスです。
「貯める」「使う」「充当する」「交換する」などの選択肢を顧客に与えることで、自社サービスの継続利用にメリットがあることをダイレクトに体験してもらうことを主な目的としています。
2.ポイント制度の種類
ポイント制度の種類は「共通ポイント」と「自社ポイント」の二つに大別されています。
共通ポイント
共通ポイントとは、業種・業態問わずさまざまな店舗や企業が加盟できるポイントプログラムです。共通ポイントに加盟すれば、提携先間で相互送客ができるためコストをかけずに集客が期待できます。一方、顧客は共通ポイントに加盟しているあらゆる企業、店舗でポイント利用ができます。
自社ポイント
自社ポイントとは、特定企業、系列店やチェーン店など同一グループ店舗でのみ利用できるポイントプログラムです。自社ポイントの魅力は、顧客データを直接収集できるためイベントやキャンペーンなどに顧客データを活用できる点にあります。また、ポイントの還元率も自在に設定できるため独自色を出しやすい点も魅力の一つです。
3.ポイント制度の仕組みは?
ポイント制度の仕組みを理解する上で必要なこととして、「ポイントの負担先」「ポイントの財務処理」「共通ポイントの還元の仕組み」を順に説明していきます。
ポイントの負担先
ポイント制度の導入企業は、商品の購入もしくはサービス利用時に金額に応じて顧客にポイントを付与します。売上代金の一部をポイントとして還元するその原資は、自社ポイントの場合はポイントサービスの実施企業の負担になります。共通ポイントは、ポイント事業に加盟している企業・店舗(多くの場合は利用店舗)になります。
ポイントの財務処理
自社ポイントの財務処理は、ポイントを付与した時は何も行わず、ポイントが顧客に使用された時に仕訳を行います。その際の仕訳には、売上値引または販売促進費として捉える2つの方法があります。一方、共通ポイントの財務処理は、ポイント分を雑収入として計上することが一般的です。
共通ポイントの還元の仕組み
共通ポイントの還元に関しては、「顧客」「加盟企業・店舗」「運営事業者」の三者が関わってきます。顧客は共通ポイントの加盟企業・店舗でポイントを獲得しますが、ポイントの還元は加盟企業ではなく、運営事業者からになります。
4.ポイント制度を導入するメリット
企業がポイント制度を導入するメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。
共通ポイント、自社ポイントについて解説します。
共通ポイントのメリット
共通ポイントには主に1つのメリットがあります。
1つ目は新規顧客の獲得
2つ目は顧客満足度の向上
3つ目はコストの抑制です。
新規顧客を獲得できる
共通ポイントを導入すると、加盟店間で相互送客が可能となるため、新規の顧客獲得に多大なコストをかける必要がありません。また、共通ポイントには知名度の高いチェーン店が加盟していることから、その経済圏に加われば自社サービスの訴求や知名度向上が期待できます。
顧客満足度を向上できる
共通ポイントはすべての加盟店でポイントを共通に利用できるため利便性が高く、顧客の満足度は高まります。また、他社で買い物をして貯めたポイントを、自社の買い物の際に利用が可能になるため、顧客の自社に対する利用意欲も高まります。
導入コストを抑えられる
共通ポイントは、利用に必要となるツールをすべてポイント運営事業者が用意しているため、導入決定後、即座にポイントサービスを開始できます。また、既存のポイントプログラムに加わることになるので、ゼロからの開発は必要なく導入コストを抑制できます。
自社ポイントのメリット
自社ポイントには主に3つのメリットがあります。
1つ目は顧客データの収集と活用
2つ目は幅広い運用性
3つ目は他社との差別化です。
顧客データを収集・活用できる
自社ポイントは、アプリなどを通じて顧客登録が必要となるため、独自の顧客データの収集ができます。
さらに、顧客データの収集と蓄積が進むことで、顧客別の売上分析や顧客属性の分類、ロイヤル顧客の把握などが可能になります。それにより自社のさらなる利用を促すための施策を顧客グループごとに展開することができます。
運用の幅が広がる
自社ポイントは、顧客データを一元管理できるため、ポイントの付与や加算のタイミング、交換可能な商品、期限、還元率など運用ルールを自由に設計できます。
また、独自の企画とポイントの運用を連携させることも可能です。顧客接点を強化する、ポイントの利用率をさらに高めるなどの目的に応じて、イベントやキャンペーンなど幅広い施策を打ち出せる点も魅力と言えるでしょう。
他社との差別化を図れる
自社ポイントは、自由度の高さから他社との差別化を図りやすい点が魅力です。
その多くは、顧客データの管理、分析を通じてパーソナライズされた購買体験やコミュニケーションの提供が図られています。
5.ポイント制度を導入する際の注意点は?
ポイント制度を導入する際の注意点には、どのようなことがあるのでしょうか。
以下、5つのポイントを説明していきます。
導入する目的を明確にする
ポイント制度の導入には、目的の明確化が必要です。目的が定まっておらず、競合に追随する形で導入しても闇雲に値引きを誘発する可能性が高いです。
制度導入後、コスト過多に陥らないためにも、導入前にポイントサービスを通じて得たい事を明らかにしなければなりません。
顧客が簡単に利用できるポイント制度を導入する
ポイント制度を導入しても、顧客が簡単に利用できなければ意味がありません。このため、導入前にポイントの獲得から還元までの顧客の一連の行動を綿密に想定する必要があります。複雑なルールや条件、ポイントの使用方法の限定など、顧客にストレスを与える可能性のある事柄を事前に洗い出しておきましょう。
データの活用方法を予め決めておく
ポイント制度は、顧客データを活用して目的を果たしたときに導入の効果が得られます。このため、導入検討段階から、販売促進案など集客効果が得られるような顧客データの活用方法を具体的に決めておくことが不可欠です。
オペレーションやルールを周知する
運用スタッフの業務の効率性の検討も、ポイント制度導入前には欠かせません。
予期せぬクレームや慣れない作業を増やさぬよう、担当部内でオペレーションや運用ルール、顧客データの管理法を確立し、周知することが求められます。
定期的に評価と改善を行う
ポイント制度は導入後、定期的に評価と改善を行う必要があります。
会計上、発行したポイントは「契約負債」という勘定科目で仕訳されます。負債である以上、その金額を常時、把握していなければなりません。仮に発行したポイントが、自店舗の経営負担になっているのであれば、運用ルールの見直しや改善が必要です。
6.ポイント制度を導入した成功事例
ポイント制度導入に成功したケースとして以下、2社の事例を紹介します。
株式会社サンリオ|顧客とのコミュニケーションの強化に成功
株式会社サンリオは、店舗販売、EC、テーマパークなど複数の会員システムを並行運用していたことから、大量の顧客情報を活かしきれていませんでした。そうした中、大規模開発を行わず顧客IDの統合に成功。以後、店舗、オンラインショップ、テーマパークを跨ぐ共通のポイントシステム「Sanrio+(サンリオプラス)」に顧客情報を集約し、顧客とのコミュニケーションを強化しています。
サントリーウエルネス株式会社|商品購入と健康行動にポイント付与
サントリーウエルネス株式会社が展開している「サントリーウエルネスクラブ」は、商品購入や健康行動でポイントが貯まり、会員がさまざまな特典を得られるプログラムです。同プログラムは開発の際、経営戦略上、早期実現が求められていました。この機会に担当者は、内製化ではなく外部委託を選択し社内の期待に応えました。メインとなるサービス開発のスピード感を損なわず早期実現を果たしています。
7.複数チャネルを統合可能なポイント管理サービス「fannaly(ファンナリー)」
ここまで、ポイント制度の仕組みや導入事例などについて説明してきました。
今後の企業の成長には、売上の追及だけでなく顧客生涯価値を高めることが必要です。
そうした中、上記2社の成功事例に見られるように、顧客とのエンゲージメントを高め、ファンを育てる会員・ポイントサービスが求められています。
CRM(会員・ポイント)の制度設計から基盤構築までをトータルでご支援しているプリズマティクスは、APIを活用し複数チャネルとの統合が可能なSaaS/PaaSで使える会員・ポイント管理システム「fannaly(ファンナリー)」を提供しています。
また、約9,500万人が利用しているLINEミニアプリを標準搭載で、すぐにスタートも可能です。
以下の課題等があるかたは、ぜひfannaly(ファンナリー)の導入をご検討ください。
・ライト層へのアプローチで顧客頻度を増加させたい
・従来のポイント制度「1円=1ポイント」ではファンが増えない
・店舗やEC等、複数チャネルと連携し、会員情報を一元管理したい
MAU数に連動した料金体系を採用しており、利用状況に応じて適切な費用負担で利用可能であり、スマホアプリのダウンロードが不要なため、利用者側にもメリットが多いです。
導入をご検討していただける方は、ぜひプリズマティクスまでお気軽にお問い合わせください。
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