プリズマジャーナルTOPEC伸長の近道はリアル店舗強化、リアル店舗伸長の近道はEC強化!? [今月の注目ニュース]
EC伸長の近道はリアル店舗強化、リアル店舗伸長の近道はEC強化!? [今月の注目ニュース]

EC伸長の近道はリアル店舗強化、リアル店舗伸長の近道はEC強化!? [今月の注目ニュース]

# EC # OMO # 接客 # ロイヤリティ向上

コロナ禍のタイミングで、ECが大きく伸長した企業は多いことと思います。しかしコロナ禍が落ち着いた頃には、客数が回復してきたリアル店舗に重点を置き、伸びが一段落してしまったECから軸足を移してしまっている企業も多いのではないでしょうか。これは、ECとリアル店舗を別々のチャネルと捉えている為に、起こってしまうことです。

EC伸長の近道は、リアル店舗にあり!
リアル店舗伸長の近道は、ECにあり!
 です!!

小売り×DXの気になるニュースを、リテール業界の現場経験が豊富なプリズマティクスのコンサルタントがチョイスしてお届けする「今月の注目ニュース」。今回はシニアコンサルタントの金子が、ECとリアル店舗が既に“共存するチャネル”となっている、デイトナ・インターナショナル(以下、デイトナ)の事例を参考にしながら、日本のOMO(Online Merges with Offline)の現状を見ていきます。

1.EC認知の約半数は、リアル店舗経由

 

デイトナの自社EC「デイトナパーク(旧フリークス ストア オンライン ショップ)」では、約半数がリアル店舗経由でECを認知しており、特にロイヤリティの高いユーザーほど、店舗で知り、ECに流入するルートが多くなっています。

私自身が過去に関わったネットスーパーでも、同様の消費者行動が分かっていました。利用者はリアル店舗商圏内が中心となっており、普段店舗を利用している人が品質を認知しているからこそネットも利用するわけです。配送範囲を拡げてもそれは変わりませんでした。

ECはリアル店舗とは別のチャネルとして捉えがちですが、各企業のブランドやサービスを体験し、その良さを実感するのはリアル店舗が多いはずです。だからこそ、ECを強化する為には、リアル店舗を強化することが不可欠となります。

2.デイトナで展開するOMO推進策

●デイトナは、2020年5月に店舗スタッフDX化サービス「スタッフスタート」を導入
●2022年9月には、LINEと連携した「LINEスタッフスタート」の利用を開始
●店舗スタッフのEC貢献度を平等に可視化し、人事評価につなげていくため、全スタッフが対象。

デイトナが軸に据えている取り組みは、コーディネート投稿やブログといったデジタル接客です。多くのアパレルでもデジタル接客は導入していますが、現場任せになっていることが多いかと思います。

デイトナでは勉強会やSNS講習会で投稿の量だけでなくクオリティにもこだわり、また人事評価まで踏み込んで、スタッフ1人1人の行動を会社全体でサポートしています。そして何よりもスタッフ自身が「売上が伸びている」効果を実感することにより、結果としてスタッフと個客のつながりが強化され、ECもリアル店舗も強化される。そういった、良い循環が生み出されています。

私は、ある企業のスタッフ向けアプリの記事投稿のための勉強会に参加させて頂いたことがあります。デジタル接客の効果を実感しているスタッフと、まだ実感の無いスタッフでは、講習に対する意欲や温度感に雲泥の差がありました。人事評価に組み込みつつもノルマ化せず、現場が楽しみながら効果を実感できる仕掛けが重要です。

3.リアル店舗伸長の近道も、ECにあり?

●デイトナは、2022年11月に自社オンラインストアを全面リニューアル
●オンラインとオフラインをシームレスに繋げ、新たな顧客体験を提供。
●社外ブランドも含めて店舗とオンラインストアの両方に出店が可能なOMOプラットフォームを実現。

デイトナでは、リアル店舗、特にスタッフを強化することでEC伸長を図り、EC化比率は6割に達しています。自社ECの売上高も前年比300~400%ペースで伸長しており、大きな効果を出しています。また、「リアル店舗とECを両方利用するクロスユースの顧客は、どちらか片方だけの利用者と比べ、ARPU(顧客当たり平均売上高、アープ)が約4倍高い」ことも分かっています。

他社の事例においてもクロスユースの顧客はLTVが高い傾向にありますが、4倍というのは、驚異的な数値です。クロスユースの顧客は、何故LTVが高くなるのでしょうか? デイトナでは、スタッフと顧客のつながりが強化されることで、デイトナに対するロイヤリティが高まっているのが分かるでしょう。

では、デジタル接客に取り組んでいない場合はどうでしょうか。それでも、商品の価値やサービスの良さが伝わるECを展開すれば、ロイヤリティは高まるはずです。つまりECは、「顧客に商品を届ける」だけの単なる販売チャネルではなく、顧客とのつながりを深める“接点”として捉えることが必要です。

自社の良さや特長が伝わるUI/UX、リアル店舗とECが連動した顧客体験から落とした各種サービスを実現することにより、リアル店舗の伸長も図ることが出来るはずです。これこそが、OMO(Online Merges with Offline)の本質ではないでしょうか。

⾦⼦ 傑 執筆者

執筆者プロフィール
金子 傑
シニアコンサルタント

2000年イオングループのミニストップ入社。システム部⾨にてECサイト、DWH、商品マスタ等のPMを担当。2011年以降はシステム部門を離れ、九州営業部長、社長室長、サービス・デジタル推進部長、マーケティング部長等を歴任。2018年11月にクラスメソッドに参画。OMO/EC、CRMを中⼼に、事業戦略から業務設計、PMまで幅広い領域を担当。
【支援実績】
OMO/EC:アンファー、グラニフ、⼤⼿スーパー、雑貨⼩売店(戦略策定、業務設計)、大手生活用品メーカー(D2C)等
CRM:サンリオ、大手アパレル(会員制度設計)等

この記事をシェアする

Facebook