プリズマジャーナルTOP検索機能の重要性(ネットスーパー編)~ キーワード検索も大事です ~

検索機能の重要性(ネットスーパー編)~ キーワード検索も大事です ~

ネットスーパーはECの中でも商品数が多いのが特徴のひとつです。
皆さんは、お目当ての商品、欲しい商品に、どうやって辿り着いていますか?

お目当ての商品(商品名)が明確に分かっている場合は、カテゴリから商品一覧を表示したり、商品名がわかる場合であればキーワード検索を使うことが殆どかと思います。ところが、曖昧な記憶で検索をする場合には、困った現象が起こってきます。

今回は「お味噌」を買う(カートに入れる)場合の困った“あるある”珍道中。きくた巡査、パトロール開始です!

1.お目当ての「味噌」を探すも、いきなりカテゴリ検索でくじける

お目当ての商品が購入履歴やお気に入りにある場合は、そこから商品を選べば、すぐにカートへ入れることができます。でも今回は、初めて買う場合。曖昧な記憶から、お目当ての「味噌」を見つけることは出来るでしょうか。

まずはカテゴリ検索から始めてみましょう。カテゴリ一覧を見てみましたが、カテゴリ数が多すぎて、ちょっと手間取ります。カテゴリが多いのは、それだけ品揃えが良いということでもありますので、ある程度は仕方のないことです。下手にまとめられてしまうと、奥深くドリルダウンしなければならず、結果的に迷子になってしまうケースも少なくありません。3階層潜るくらいが、ちょうど良いでしょうか。4階層だと深すぎる感じがします。

今回のお目当ては「味噌」ですので、「調味料」というカテゴリに入ってみました。ところが何故か見つからず……。速攻くじけてしまいます。

そこで、いざ、キーワード検索開始です!

メーカー名を覚えていれば最短ルートで絞り込めたのですが、メーカーは覚えていません。店舗購入の際はパッケージで判別していますので、商品名やメーカーを覚えていなくても、見つけることは、とりあえず可能。まれにパッケージがリニューアルされると、店舗でもアワアワしてしまいますが……。

「味噌」と入れると、検索ヒット数は205件。5ページ分の検索結果が出てきました。きくた巡査、このネットスーパーの品揃えを見たい気持ちもあり、今回はこの5ページを地道に画面スクロールしていくことにしました。さて、商品は無事見つかるでしょうか。

2.キーワード検索から始まる5ページの「ミソ・スクロール・ジャーニー」

1ページ目。四角いプラパッケージのお味噌が並んでいます。最近はチューブタイプもあるんですね。ここには、欲しい商品はありませんでした。

2ページ目。普通のお味噌だけでなく、味噌ラーメンやサバ味噌の缶詰が出てきました。スクロールを続けていくと、ソースが出てきました。「ん?」……しばし、手が止まります。

「おこの“ミソ”ーす」。

そこですか、引っかかった理由は。商品名に「ミソ」があるとひっかかるんですね。

3ページ目。ほとんどが「ミソ」がらみの商品になってきました。
もう、探しているお味噌には、辿りつけないのかもしれません……。そんな不安が頭をよぎります。
いやいや、まだページ内に1〜2個は“普通の”お味噌が表示されています。残り2ページなので、がんばって探します。この辺りから、自分が意地になってきていることは否めません。

4ページ目。ありませんでした。見逃した? でも、店舗で、いつも買っているお味噌です。大丈夫、きっとある!……と信じて、最終ページへ進みます。

そして5ページ目、最終ページです。ありました! 見覚えのあるパッケージです!
最後から3番目に並んでいます! ようやく、辿り着きました。
「〇〇〇無添加減塩みそ」って商品名だったんですね。「長い名前だった」という薄い記憶しか無かった為に、こんなことに……。

とにもかくにも、5ページスクロールの努力は無事、報われました。よかったです。

3.遥かなる「〇〇〇無添加減塩みそ」の旅路は、薄い記憶の彼方に

今回は、「店舗にはあるから、きっとある」と信じて、最後まで商品一覧をスクロールしたことで、無事見つけ出すことが出来ました。ただ最近は、ネットスーパーが店舗と同じ品揃えをモットーとせず、それぞれの利用顧客のニーズや運用に見合った品揃えになっている場合もあるようです。ですから、店舗にあるからネットスーパーにもあるとは限りません。

もし今回、最後までお目当ての「味噌」が見つからなかった場合、冷蔵庫に入っている味噌を見に行き、商品名を確認して再度キーワード検索、完全一致で見つけられれば無事購入……という流れになっていたでしょう。

システム的な側面からは、キーワード検索においては、検索エンジンの仕様に影響されることも多いですし、事前の設定や検索辞書の設定など、地道な苦労も多いのが商品検索です。

カテゴリが明確に分かっている商品の場合、キーワード検索よりカテゴリをドリルダウンしていくのが近道ですから、ネットスーパーのカテゴリ設定は“分かりやすいこと”が一番重要になってくるかと思います。カテゴリ数はネットスーパーの場合は特に多く、それぞれのネットスーパーで微妙に違っています。

ユーザーも最初は戸惑うかもしれませんが利用しているうちに慣れますし、日常的に使う商品は注文履歴から簡単にカートに入れることが出来るようになります。ただし、購入履歴に表示される価格が購入時の価格となってくることに関しては、注意が必要です。

「みそ」の単語1つから、キーワード検索でお目当ての商品に辿り着くのは難しい、ということがお分かり頂けたのではないでしょうか。普段スーパー(店舗)で買っている商品は、視覚で商品を認知していることが多いので、いざ「検索」するとなるとやり方は様々となってきますね。最近は、商品名が凝っていて、長い名前だったり、一字違いで大違い、という場合もちらほらあります。キーワード検索の場合、絞り込み機能があれば、いくつかのキーワードを組み合わせることをオススメします。

実は、その後改めて、「みそ」「無添加」という2つのキーワードで検索しましたところ、ヒットした商品数は17件でした。複数の単語を組み合わせて、キーワード検索をするのが近道でした。パトロールの必要も無かった模様。結果的に、スーパーの品揃えをゆっくりと眺める時間となりました。

薄い記憶でキーワード検索で探していくと、今回の珍道中のような、結構、長い旅路になってしまうというお話でした。皆様、オツカレサマデシタ。

 

きくた巡査の珍道中シリーズ、「検索機能の重要性(EC編)~カテゴリは大事なんです~」も合わせてお楽しみください。

菊⽥ 亜由美 執筆者

執筆者プロフィール
菊田 亜由美 業務・システムコンサルタント

日航情報開発(現JALインフォテック)を経て、2000年からフリーランスにて、システム開発およびコンサル業務に従事。小売流通、サービス、⾦融等、あらゆる分野でのシステム開発を多数手がける。また、事業会社においてEC、CRM等のシステム導入経験あり。2018年2月クラスメソッドに参画。小売業を中心に幅広い業界での業務設計、要件定義、PM⽀援に対応可能。
≪⽀援実績≫
・OMO/EC:無印良品のDX推進⽀援、大手GMS/ネットスーパー構築、大手生活用品メーカーのD2C施策検討、家事支援サービスシステム強化支援、専門店オムニチャネル支援等
・CRM:大手アパレルの会員・ポイント基盤等

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