ユナイテッドアローズの目指す「生涯顧客化」CRM戦略 〜11/11開催オンラインセミナーレポート〜
2022年11月11日、プリズマティクス CEO 濱野 幸介がモデレーターを務めたオンラインセッションにて、株式会社ユナイテッドアローズチーフデジタルオフィサー藤原 義昭氏をお迎えし、「ユナイテッドアローズの目指す『生涯顧客化』CRM戦略」をお話し頂きました。
本レポートでは、『ユナイテッドアローズ・北欧、暮らしの道具店・無印良品が描く未来 顧客に寄り添うコミュニケーション戦略』と題し行ったセミナーのうち「特別講演1」の内容をご紹介。併せて、“見逃し”してしまった方へ向け、動画アーカイブ配信をご案内します。
目次
1.目指すは「リピート購買」のお客様を増やすこと 2.顧客満足度調査を全件、目検。具体的なネクストアクション施策に活かす 3.ユナイテッドアローズの“リアル”な試行錯誤は、動画アーカイブで視聴可能1.目指すは「リピート購買」のお客様を増やすこと
藤原氏は「LTV、KPIは会社によって計算式が違うと思う。どの会社にとっても“共通”の正解は無い。自分たちの会社で重要なものが何なのか、キーファクターとなるものはどれなのか、考える必要があります」と語り、ユナイテッドアローズとしては次の4つを「やるべきこと」とすることに決めたそうです。
・LTVをあげるには顧客接点を持ち(CRM)
・IDを店舗と統合し
・適切なコミュニケーションを行って
・何度も購入してもらう
具体的には、「年間4回購入してくださるお客様を増やすことを目指す」という目標設定をしました。購買データを見ると、年間1回購入のお客様は、その約半数のお客様が1回に留まってしまうことに気付きました。
「この1回目から2回目の落ち率が非常に高くて、2回目購入に至るお客様の母数を引き上げることが大切だと思っています。そこで、1回で購買が終わってしまう顧客と2回購買している顧客について、購買データを比較し、どこが差分なのか、どのような特徴が見られるのか分析しました」(藤原氏)
購買商品、購買行動、顧客属性、顧客行動、店舗。この5つの側面に着目し、顧客の行動をポイントで評価。「コレをやっているお客様はポイントが高いけれど、この人はやってないからやってもらうようお願いしよう」など、実際のアクションを起こす指標としても利用しています。KGI、KPIをどう設定しているかについては、具体的な計算式もシェアいただいているので是非動画をご覧ください。
2.顧客満足度調査を全件、目検。具体的なネクストアクション施策に活かす
ここまでお話しいただいたことは、顧客の行動データから見えてくることを施策に活かすという、ある意味ではブランド側からの一方的なコミュニケーションでした。ユナイテッドアローズではそれだけでなく、顧客側の生の声を聞くため、店舗来店者に対して定期的に「顧客体験の満足度調査」を行っているそうです。
店舗来店があり、かつ購買行動のあったお客様に対して、事前許諾を得てbeaconでアンケートを発射し、次回購買意向が高いか、満足度が高いか、といったシンプルな質問を、good/badといった答えやすいフォームで送り、またフリーコメント欄を設けているとのこと。
「全国の店舗から毎週1,000件程度アンケートが集まってきますので、これを“しっかり”見ていきましょうということをやっています。全件、目検で、CS部門が見ています。毎週レポーティングされています。幹部も含めて全員見ていますよ」と藤原氏。昨今のデータウェアハウス導入の流行とは真逆の、アナログで丁寧な“集計”です。
ここで濱野が、「全件目検ですか……やはり目検、大事ですか?」と聞くと、藤原氏からは「目検、めちゃくちゃ大事ですね。やはり文章って、お客様の感情が読み取れるものなんです。“喜んでる”というのも、すごく喜んでるのか、多少喜んでるのか……お客様の感情が滲み出てくるんですね。それをしっかり読み取っていくことが大事だと思っています」とのコメントがありました。
セミナーでは、実際に送っているメールサンプルも提示して頂きながら、アンケート結果をどうネクストアクションに繋げているのか、具体的な指標も知ることができます。このお客様の声からの分析で、ユナイテッドアローズの店舗接客では「商品知識やコーディネート提案」が満足度向上の大きなキーファクターになる場合が多い、ということが分かりました。
「データから得られた指標を現場に落とし込む場合に、『お客様に声かけを積極的にやっていきましょう!』というような当たり前のことを伝えるのではなく、なるべく具体的な内容を伝えるようにしています。例えば『商品知識やコーディネート提案を強化して欲しい』といった感じです。また、マネジメントとしても根拠があって言っていることを分かってもらうために、数字も伝えています」(藤原氏)
3.ユナイテッドアローズの“リアル”な試行錯誤は、動画アーカイブで視聴可能
最後にまとめとして、藤原氏からは4つの大切にしている点が提示されました。
この4点についてプリズマティクス濱野から、具体的な内容に踏み込む質問をさせて頂きました。「ECがコミュニケーション基盤、というのはどういう意味合いでしょうか」「改めて、何故ID統合が大切だとお考えですか」「KPIの見つけ方、キードライバーの見つけ方について、何かポイントはありますか」などの問いに対して、貴重な“リアル”を共有頂きました。
本オンラインセミナーは、プリズマティクス株式会社、クラスメソッド株式会社の共催、Braze株式会社の協力にて、顧客とのコミュニケーションについて先進的な取り組みを行っている企業様にお集まり頂き、開催致しました。
本セッションの全編は、プリズマティクスの「動画閲覧」にて全編を無料アーカイブ動画として配信中です。下記バナーの動画閲覧ページよりお申し込み頂き、ご覧ください。
「the engagement commerce platform for wow! experiences」をコンセプトに、小売業における顧客エンゲージメント向上の支援、戦略的OMOを実現するプラットフォーム提供を行うプリズマティクス株式会社が運営する、オウンドメディア『プリズマジャーナル』編集部。
『プリズマジャーナル』では、プリズマティクスで活躍するコンサルタントが執筆するコラム「徒然ジャーナル」、業界の先端を走り続けるプリズマティクスアドバイザーからの寄稿文など、小売業の皆様に向けて伝えたいこと、耳寄りな情報などをお送りします。
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