プリズマジャーナルTOPオーナーシップを持った“内製化”実現を目指し 「繋ぐ」エンジニアの活躍に光を当てる

オーナーシップを持った“内製化”実現を目指し 「繋ぐ」エンジニアの活躍に光を当てる

# 内製化 # DX # デジタル戦略 # エンジニアリング組織 # 無印良品

流通ニュース × TECH+ セミナー リテールDX~デジタルシフトで顧客との接点を強化する~イベントレポート。株式会社良品計画 ITサービス部執行役員、久保田氏×プリズマティクスCEO濱野の対談(後編)

2022年8月18日、流通ニュース×TECH+セミナー「リテールDX ~デジタルシフトで顧客との接点を強化する~」がオンライン開催されました。「無印良品の目指すDX推進のための組織づくり」と題し、良品計画 執行役員久保田氏をゲストに、プリズマティクス濱野も登壇させていただきました。この様子を、イベントレポートとして、前後編にお分けしてお届けします。

前編では無印良品の目指すDX推進について “地域に根ざす” をキーワードにお話を伺いました。この課題に対してテックを駆使するエンジニア組織が理想であること、またブランドへの“好き”という気持ちや、会社ミッションへの“共感”を、エンジニア“仲間集め”の際に大切にされているとお話しいただきました。本稿では、更に「理想のエンジニア組織」について深掘りし、久保田氏の考える内製化メリットや、良品計画で力を入れているエンジニア採用についてもお伺いしていきます。

1. 内製化最大のメリットは非機能要件のコントロールができること

プリズマティクスCEO 濱野(以下、濱野):ここまで久保田さんの考える「エンジニア組織」の理想的な姿について伺ってきました。良品計画に参画して4ヶ月経ったとのことですが、見えてきたギャップや、これから実現していきたいステップなどについてお話しいただけますか。

良品計画 執行役員 久保田氏(以下、久保田):良品計画はこれまで、外部のベンダーさんにご協力頂いて開発をしてきたという経緯があります。ただ自分としては、事業会社であっても、自分たちでしっかりとオーナーシップを持ってプロダクトをつくっていくという、内製化が理想だと思ってやってきたというところがあります。

内製化できていないことによって出てくる問題として最も大きなものは、非機能要件のコントロールができていないことだと思います。機能要件は、ベンダーさんのご協力によってすぐに確認できる状態かと思いますが、複数ベンダーさんにお願いしていると、それぞれのベンダーさんごとに品質やルールが違っていますよね。

非機能要件がコントロールできていないことで、運用に手間がかかってしまったり、品質がなかなか上がらない部分がある。そこで、非機能要件を我々でしっかり把握して、そういった部分も含めたかたちで、今後ベンダーさんにお願いしてやっていく、というような形にして行きたいなと考えております。

2. オーナーシップを持った“適切な”内製化が、外部ベンダーとの協業をスムーズに

濱野:久保田さんの理想とするエンジニア組織と、現状の一番大きなギャップは「内製化」ということですね。他の観点では何かありますか。

久保田:エンジニアリング組織を考えたとき、開発、運用、データ分析、業務推進、エンジニア組織運用、といった、最低限必要な機能が5つ位はあると思っています。今はなかなか、運用のところに皆さんが集中してしまっていて、他の機能を考えたり、実践する余裕が無いというのが現状です。内製化を進めながらも、最低限必要な機能というところを揃えていかないといけないな、と思っています。

濱野:挙げて頂いた5つの機能について、具体的なところを伺えますか。「開発」「運用」については、自前で全部持つのか、それとも依頼しながらディレクションだけやるのか、という選択肢があると思います。最終目標はどのようにお考えでしょうか。

久保田:手を動かしてつくるところまで自前で持とうとすると、すごく人数も必要になってしまいますし、今からやろうとするには難しいかなと考えています。そういった部分はこれまで通り外部ベンダーさんにご協力いただきながら、つくっていくのがいいかなと思っています。

ただ、最低限の「内製化する部分」「オーナーシップを持つ部分」を見直していかなければならないですね。業務部門を繋ぐところだったり、部門間のバランスを調整したり、要件定義の上流のところというのを、まずは内製化していくというようなイメージです。

あと、冒頭にお話ししたように今、良品計画は「第二創業」ということで、地域に根ざした事業を新たに展開していかなければならないと考えています。つまり、新規事業もやっていかなければいけない。クイックにPOCを回せるような、小さい開発部隊をいくつか用意して、新しいビジネスに対応していきたいですね。先々、プロダクションレベルに上げる時には、外部のベンダーさんと協力できるような、そんなイメージで、開発、運用部隊をつくっていきたいと思っております。

3. クロージング

濱野:本日は、「無印良品の目指すDX推進のための組織づくり」というテーマでディスカッションさせていただきました。最後に久保田さんから、業務が大好きなエンジニアを良品計画で募集すると伺っておりますので、告知をいただけますと幸いです。

久保田:良品計画は今「第二創業」というタイミングで、テックカンパニーを目指すということで、エンジニア採用を進めております。テクノロジーによって社会貢献したい、良い世の中を実現していきたい、そういう志を持った仲間と一緒に、楽しく働いていけるような環境を目指しています。良品計画の理念をご覧頂いて、共感していただけたら是非ご応募をいただけますと幸いです。

濱野:プリズマティクスも引き続き、良品計画様が進められるDX推進の一助になればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。久保田さま、今日はご登壇いただきありがとうございました。

プリズマ編集部

「the engagement commerce platform for wow! experiences」をコンセプトに、小売業における顧客エンゲージメント向上の支援、戦略的OMOを実現するプラットフォーム提供を行うプリズマティクス株式会社が運営する、オウンドメディア『プリズマジャーナル』編集部。

『プリズマジャーナル』では、プリズマティクスで活躍するコンサルタントが執筆するコラム「徒然ジャーナル」、業界の先端を走り続けるプリズマティクスアドバイザーからの寄稿文など、小売業の皆様に向けて伝えたいこと、耳寄りな情報などをお送りします。

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